その他:麦飯石
麦飯石とは
黄褐色または淡灰色の石基の中に、白い長石と灰色した石英が散りばめられ、麦ご飯のように見えることから『麦飯石(ばくはんせき)』と名付けられた。日本は火山列島と言われるように複雑な地質構造を持っており、
色々なタイプの鉱床があり、火成岩の種類も豊富にあります。
その中で麦飯石は半深成岩に属する石英斑岩になります。
この石の成因については定かでなく、5000万年?7000万年前にかけて噴出・貫入した火成岩(花崗岩質ペグマタイト)と推定されています。
この頃の花崗岩質ペグマタイトには放射性元素を含むことが知られていますが、麦飯石には放射能核種は含まれていないことが分かっております。
実に25,000種以上という非常に多物質から成り立っている麦飯石は、他の火成岩と異なる点が多くあるほか、古くより私たちの生活の中に取り入れられてきました。
ただ、この石は世界的にも非常に稀な鉱物になるため、日本においてはただ一箇所、岐阜県加茂郡白川町でしか産出されていない貴重な石なのです。
麦飯石の歴史
麦飯石が薬用として使われたのは、はじめ中国においてでした。十一世紀に漢方の専門書である「本草図経」、少し後の時代になる「本草綱目」などです。
中国からそれらの記述の入った本が輸入されてからが日本での始まりであるといわれていますが、定かではありません。
日本では、戦後から、その効果が注目され、生活に取り入れたり、研究が進んだりしていますが、まだ全貌は明らかにされていません。
ただ、麦飯石の郷である白川では、「麦飯石」という石を誰も知らないときから、白川の山から湧き出る水は、不思議な水として、地元の人たちには珍重されていました。
「お酒に入れると美味しくなる」「その水を使えば日陰でもよく稲が育つ」…など、たくさんのいわれがありました。
現在は、素材の安全性、農業分野・水処理利用のための基礎研究が行われています。どのミネラルがどのように働いてそうなっているのか、分かるのはそう遠いことではないようです。
麦飯石の特徴
◆優れた吸着力麦飯石の断面を電子顕微鏡で見ると、多孔質で、表面積が非常に広くなっていることと、 長石※1の部分が風化し、カオリン状※2になっていることから、 吸着作用・イオン交換作用がいつまでも強く残っていると言われています。◆ミネラルの溶出麦飯石は、カルシウム、鉄、ナトリウム、マグネシウムなどの良質のミネラルを豊富に含み、水やアルコールに出会うと、各種ミネラルを溶出します。日本では昔から、湯治と言われるように、体に良いミネラルの溶けている温泉で、 お湯に浸かったり、その湯を飲んで、体や皮膚の疾患を治す風習がありますが、 麦飯石は家で同じように試すことができます。 ◆水質調整麦飯石は、酸性の水もアルカリの水も中性に近づけ、ペーハー(ph)を調整する作用があります。 また、様々な水質に合わせイオン交換やミネラルバランスを整えます。◆水中に酸素を供給水中に酸素を放出するので、飲用としても植物の栽培や動物の飼育にも適した水になります。 |
麦飯石の使い方
自家製ミネラルウォーター作りに
麦飯石を水に漬けると、多種多様なミネラルが水に溶け出して、 ふつうの水道水がミネラルウォーターになります。 また、優れた吸着力で、カルキや雑菌、汚染物質を吸着・分解し、 水を浄化し、おいしく、腐りにくい水にします。 そのまま飲むだけでなく、お茶やコーヒーを入れる時に使ったり、 ご飯を炊く時に使ったり、お料理に使う水を麦飯石水に変えると、 美味しい上いたみにくくなります。氷を作る容器にも入れて、おいしい氷も作れます。 |
スプレーボトルに入れておくとすぐ使えて便利! お肌の水分補給に/植物に/髪の毛/お掃除に・・・ | |
【お風呂に入れて】ミネラルたっぷりの温泉が楽しめます。また、麦飯石が汚れや雑菌を吸着するので、湯質をきれいに保つことができます。 麦飯石3?5kgを袋やネットに入れ、浴槽に置き、お湯を入れて、
20?30分してから入浴してください。 入浴後は、麦飯石を浴槽から取り出し乾燥させてください。 月に2?3回は麦飯石を水洗いし天日に干してください。 | |
【冷蔵庫、食器洗い機、下駄箱の脱臭に】臭いを吸収する作用に優れていますので、置いておくだけで脱臭剤になります。クローゼット、車内、ペットのトイレなどにも。【植物もこの石で元気!】麦飯石は、土壌や水を活性化する作用がありますので、植物の成長に効果が期待できます。 麦飯石を利用した農法も研究され、品質や収量の向上に効果をあげています。 | |
【水槽に入れて】水槽の底に敷いておくと、水質を調整し、不純物を吸着してくれます。【お芋を焼いて。更に、暖かいうちに布にくるんで肩凝りに!】土鍋に麦飯石を敷き、その上にさつま芋を並べて20分程加熱すると、ほっくりしてトロトロの焼き芋が簡単にできます。 さらに、お芋を焼いた麦飯石が熱いうちにをタオルに包んで、肩をお手当てすれば、温熱効果で血行が促進されて、コリやハリに効くようです。 |
【ご使用になる前に】
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【お手入れ方法】
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【重曹と混ぜて制汗パウダーに】重曹の消臭作用と麦飯石の吸着作用で、デオドラント効果がアップ!足の臭いやペットの臭いの消臭用にも使えます。
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【クレイと混ぜてミネラルたっぷりのパックに】麦飯石微粒子パウダーをパックに混ぜると、毛穴の奥の老廃物を吸着し、豊富なミネラルをお肌に与えてくれます。
【化粧水に入れて】化粧水に麦飯石パウダーをホンのひとつまみ入れ、使う時にはよく振って混ぜて合わせて使います。 |
【手作り石けんに入れて】手作り石けんを作る時に、麦飯石微粒子パウダーをタネに混ぜ込みます。【バスボムに入れて】材料をまぜるときに、麦飯石微粒子パウダーをひとつまみ入れます。麦飯石微粒子パウダーは沈殿します。循環系のお風呂には入れないでください。【植物や魚に】麦飯石水を使うより、より効果を高めたいときはパウダーを土や水に入れます。 |
一見それとは分からない、ひそやかな山への入り口を登ると、急に開けた場所に出る。 そこが、麦飯石の採掘場です。 有限な資源である麦飯石は、一年に採掘する量も決められ、 私達の手元にやってくる石たちはどれも貴重品。とても硬いので、 切り出しも、小さく砕くのも大変な作業になるとのこと。 麦飯石を抱いた山から湧き出る水は、ふもとではそのまま飲料水としても飲まれ田畑を潤し、 作物を育てる豊かな水として、珍重されています。 御山に着いた日は、雨がしとしとと降る、ちょっとだけ肌寒い日でした。 みんな、傘をさし、初めて麦飯石の採掘場に足を踏み入れたのです。 「この石、いいよ・・・」 と、聞いてから、飲料水に入れたり、お風呂に入れたり…色々な使い方を すでに実践しているCPPスタッフメンバーではありますが、「どこから来たのか?」なんてことは、 何となくしか知らなかった。 深い緑に抱かれて、たくさんの山々が連なっているけれど、麦飯石が採れるのは、
その中でも、どちらかと言えば可愛らしい、小さなこの山からだけ。
でんと構えた前の山も、後ろの山も、こんなに近くに見えているというのに、 麦飯石はここからだけしか採れない…何だか、とても不思議な気持ちです。 まずは、削り取っている山肌を見、そこに生えている、とても元気な草や木にも驚く。 案内してくれている菜花亭の社長さんが 「たっぷり麦飯石のミネラルを含んだ水で育っている植物は、とっても強いんですよ」と、 教えてくれた。 土壌改良剤としても使われているということは聞いていたけれど、 豊かな成分を含んだ水は、目の前の植物全てに恩恵を与えているんだ、 と納得。丈夫に育った植物は、病気にもなりにくいし、虫もつきにくい。 家庭菜園でもそれは同じ。麦飯石のパワーは、植物にこんなに豊かに反映されている。 そして、採掘した麦飯石を適当な大きさに…と言っても、 まだ女性がひょいひょいと運べる大きさなんかでは全然ないのだけど… 重機やトラックを使って運べる大きさになったら、洗われます。 それから、破砕場でゴロゴロとした粒に砕かれます。私達が訪れたのは、 工場がお休みの日だったけれど、 「稼動している時は、そりゃものすごい音ですよ。人の話し声なんて聞こえやしません」と、 工場長さんの言葉。 硬い硬い、この麦飯石は、切り出すのも、砕くのも一苦労なんだそう… ここで、ようやく見たことのある大きさになりました。 手にとって見られる大きさです(笑)。 大き目のものから、小さめのものまで… 色々な用途に合わせて、破砕サイズを変えるのですね。 そして、袋に詰められて、私達の元にやってきます。 最近は、色々な製品に加工されたりもしているんだそうです。 ピラミッド型にしたり、まん丸にしたり…リビングや玄関、 ガーデニングの置物として使いたい、というニーズもあるんだそうで、 デザイン性豊かな商品もあります。 硬いから、加工した機械の刃はすぐにボロボロになって、 お取替えしないとお仕事を続けられないことも… この事務所でもう一つ驚いたのは、水道の蛇口が開けっ放しだったこと… 「もったいないな…」と、きゅっと締めようとすると、 「あ、そのままにしておいてね」と、言われてしまった。 なんと、わざと、ちょろちょろと、水が出るようにしているんです。 なぜって?それは、ここから出ている水は、水道水ではなくて、 麦飯石の山からの湧き水だから…。 ほんの一部をパイプで事務所に引き込んで、働く人の誰もが、 気軽に利用できるようにしているんだそうです。 私たちは今、採石場や破砕場を見て、ちょっと喉が渇いたところ… その水を、コップに一杯ずつ頂いて、喉を潤しました。 ペットボトルや水筒を持っている人は、そこにも詰めて、 山の恵みをおすそ分けしてもらったのです。 流しっぱなしにしている理由は、そのお水が、 決して下水に流れていくわけではないからなのです。 ちょっとカーブして、事務所に寄り道した湧き水は、 またもとの水の流れに戻っていきます。 排水管をたどると、小川に注いでいました。 その川の水は、田んぼや畑へと繋がっている生活に欠かせない川。 この土地の植物の生育を助けている、命の水の一筋が、 この水道から出ているお水だったのです。 そして、その田畑で育った野菜は、私達の食卓を賑わしてくれてもいます。 小石状の“粒タイプ”のほかに、美容にも使えて便利な“パウダータイプ”は、 更に加工が大変。 砕くだけで刃がボロボロになる、硬い麦飯石は、 粉にする時は工業用ダイヤモンドの力を借りているけれど、それでも、 他の石を粉にする時の何倍も早くその部分がすり減ってしまうのだそうです。 技術と手間のかかったパウダーは、ほんのひとつまみ、 制汗剤やハミガキ剤に混ぜて効果をあげたり、 バスボムの基材に加えたり、水そのものにパラリと溶かして 生活の水の質を変えたりすることができるので、 とても便利です。 重曹をはじめとする、ナチュラルなもの達との相性もさすがにピッタリで、 まだまだ使い勝手が広がりそうです。 一番最初、重曹を手にした時、 こんなに広い使い道があるとは思いもよらなかったように、 この麦飯石も、最初見たときは粒粒とした模様のあるただの石でした。 でも、ピッチャーに入れて飲んだお水は美味しく、お風呂では体を芯から温めてくれ、 気がつけば、生活に溶け込み、なくてはならないものの一つになっています。 きっと、探れば、まだまだ色々な用途に使えるのだと思うのです。 また重曹の時のように、たくさんの仲間達ときら星のような、 使い方を探していければとてもうれしい…とも思うのです。 ただ、麦飯石は人工的に作れるものではなく、限りある資源です。 手元に来た粒は、半永久的に使えますので、どうぞ大切に使っていってください。 パウダーは、もう戻りませんから、必要な場所に必要な分だけ、 こちらも大切に使っていきましょう。 (by のんちゃん) |
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