ビネガーに関する疑問
「クラブクリーン(ガラスクリーナー)」に使う炭酸水は、気が抜けても大丈夫?
大丈夫です。
クラブクリーンでガラスや鏡を磨くと、単に水拭きするよりよく汚れが落ちてピカピカになるのは、炭酸水という弱酸性の性質を示す水が持っている、界面活性の作用のおかげです。洗剤ではないのに、市販のガラスクリーナーと同じようにモノの表面に付着した汚れを効果的に浮かし、拭き取りやすくします。
ならば炭酸が抜けて泡立たなくなってしまうと、その水は中性に戻ってしまっているのかと心配になりますが、そんなことはありません。気が抜けても水中にはまだまだ炭酸(二酸化炭素)が残っており、リトマス紙では検出できませんが、その水は依然として弱酸性に傾いています。したがって、気が抜けた炭酸水でも十分に汚れをよく落としますし、飲み物に使えなくなった残りの炭酸水を掃除に使うというのは、有効なリサイクル・アイデアといえるでしょう。
参考までに、人工と天然の2種類の炭酸水について、水のpHを、気が抜ける前と後とで実際に計測してみました。
気が抜ける前の炭酸水に特徴的なのは、下記の表では一つの数値に集約していますが、本当は、二酸化炭素の泡がはじけたり、水が揺れたりするたびに、弱酸性のレンジの中で、激しくpHが変動するということです。6.0から急に4.6に下がったり、またポンと5.4くらいに上がったり。気が抜けると、そういった動きは収まります。泡立たない炭酸水は、一見、単なる水に戻ったかのように見えます。しかし測定してみると、静かに、やはりある一定の弱酸性のpH 値を示します。
商品名 | 原材料名 | 気が抜ける前のpH | 気が抜けた後のpH |
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サントリーソーダ | 水、二酸化炭素、塩化Ca、硫酸Mg | 5.8 | 5.5 |
ペリエ | 天然炭酸入り鉱泉水 | 5.8 | 5.7 |
なおクラブクリーン用の炭酸水をお求めの際は、主に二酸化炭素を溶かした単純な炭酸水(タンサン、ソーダなどとも称される)か、あるいは、二酸化炭素とクエン酸ナトリウムが入った、やや酸味のある調味炭酸水(炭酸水、クラブソーダ、ソーダなどとも称される)をお求めください。クエン酸ナトリウムは水質を改善し、軟水化することで、炭酸水の界面活性作用を高めますので、飲んでもおいしく、お掃除にも役立ちます。ただし、いわゆるラムネやサイダーなど、炭酸水に糖分を加えた甘味飲料は、クリーナー用には避けてください。(io)