ビネガーに関する疑問
クエン酸と酢酸、どっちを使えばいいのですか?
クエン酸と酢酸は、どちらも酸の仲間ですがそれぞれ性質が違います。酢酸は揮発するためクエン酸よりにおいがありますが、加減を見ながら薄め、好みのエッセンシャルオイルを混ぜると、うまく香りとなじんでかなり使いやすくなります。
以下の表を参考に、酢酸とクエン酸を、状況に応じて上手に使い分けるといいでしょう。
酢酸 | クエン酸 | |
---|---|---|
製品の形状 | 水溶液 | 結晶 |
利用方法 | 薄い水溶液を吹き付ける 布に含ませて拭く |
薄い水溶液を吹き付ける 布に含ませて拭く 粉末を直接ふりかける |
掃除に適する 溶液の濃度 |
約5% (薬局で求めた30%酢酸を6倍程度に薄める) |
約2% (水1カップにクエン酸パウダーを小さじすりきり1杯程度) |
酸の性質 | 弱酸 | 弱酸 |
溶液の安全性 | 無害(目に入らぬよう注意) | 無害(目に入らぬよう注意) |
残留性 | 常温で揮発し、残らない | 常温で揮発せず、その場に残り続ける |
サビ | 誘因とならない | 水と同程度に誘因となる |
におい | 揮発時に刺激臭がある | ほぼ無臭 |
二度拭き | 必要なし | ベトつく場合は必要 (水で薄めるor重曹水で中和する) |
適する状況 | 床、風呂、トイレ等 掃除全般に適する |
(1)特ににおいを立てたくない場合(玄関、ペットトイレ、髪や衣類のリンス等) (2)特に酸性物質を残したい場合(水アカの分解、カビの殺菌等) |
食用 | 適する (※高濃度では劇物注意) 食用酢の主成分 |
適する 果実の酸味の主成分 |
正確には、カルボキシル基(COOH)の直鎖が長いか枝分かれが複雑化していると、蒸気圧が高い(すなわちなかなか揮発しない)といえます。クエン酸や酒石酸、乳酸等は、上記カルボン酸の鎖が長い酸なので常温では飛ばず、酢酸は鎖が短いのですぐ飛びます。(余談ですが、この鎖がもっと長くなると、油の性質が出てきます。たとえばステアリン酸やオレイン酸は「酸」なのに油)
クエン酸溶液を使う際の注意
●あまり濃い濃度にしない・一カ所に集中しないクエン酸は、水が蒸発してもその場に残っているということを忘れないようにしましょう。消臭・制菌作用や、弱酸性溶液としての働きは薄い濃度でもそれなりにあります。特に弱酸性水としての働きは、かなり薄くても大丈夫。もし、消臭・制菌作用のみを狙うのであれば、クエン酸を粉のままふりかけて使う、という手も考えてみてください。いずれにせよ、その場所が長時間、酸性物質の残っていい所かどうか、よく考えてから使ってください。
●いつも重曹とコンビで使う
重曹はご承知のように弱アルカリです。掃除等に重曹を使ったあと、中和するのにクエン酸を使うのは、お互いの物性を相殺するという意味で、非常に理にかなった方法といえます。二酸化炭素は空気中に逃げますが、最後に残った水気は必ず拭き取ってやりましょう。また先にクエン酸溶液やクエン酸の粉を使った場合に、それを中和するのには、逆に重曹水を吹きかけるとよいでしょう。(io)