2月5日(日)She has a lot of water in her

映画「SAYURI」の中で、
置屋の女将がまだ幼いサユリのあごを持ち上げて、
買うか買うまいか考えるシーン。

「水の多い相だね」
「だから女将、いい火の用心になりますよ」

あまりにも新鮮な台詞に、
しばらく仕事の手が止まった。
コロンブス的、あるいは、
コペルニクス的ですらあった。

否、もとよりハリウッド的と言うべきか。

その後も、時折その言葉を思い出す。
水の多い相とはどんな顔か、想像をめぐらす。

むくんでいる?
たぶん、違う。

スッと流れるあっさり系の顔?
そんな単純な基準であるものか。

化粧映えする顔立ち?
方円の器に従う水のごとく、変幻自在という理屈。

アメフラシみたいな顔?
閑話休題。

先端テクノロジーの分野では、
水の本当の姿は“火の用心”どころではないという。
超臨界状態であらゆる物質を分解する。
いかな毒物も水を以てして浄められぬことはない。

そんなシンプルでスマートな技術が、
未来地球をあまねく覆うといいな、と思う。

肌を再生する力の強い、
大好きな重曹と硫黄の温泉に浸かりながら、
水の恩恵に感謝する、
長風呂の日。

あ、みずみずしいキレイな肌をしてるってことかな、サユリの顔。
――いやいや、それでは火事は防げない。

乞う、名回答!