お土産を抱えて田園調布へ向かう。
途中『超バカの壁』を読む。
人間は壁を作るのが得意だ。
あるとよっかかれるし。
その先を見なくていいし。
訪問先でもそんな話になる。
そうしないで「壁」の撤去に励むと、
いきおいピューピュー吹きっさらしの、
広い野っぱらにポツンと立つことになる。
でもいいじゃない、シンプルで。
「真実」が助けてくれるわよ。
その人は言った。
真実は一つだから。ゆるぎないから。
仕切って歯が立つものではないから。
ボランティアの大先達には、
こんな感じの、筋金入りのサムライが何人かいる。
いつも大笑いしてバカ話に興じているけれど。
仕事もボランティアも超一流。
別に分けるようなものでもない。
それも意味のない壁の一つだと、
駅に向かう坂道を歩きながら深呼吸する。
家々の高い塀に沿って、
まだ少し雪が残っている。