つながっているからね

「私の今年のお誕生日はいつかというと…」
この言葉を聞いて「ん?」と思わない人はいないだろう。
今年もなにも、お誕生日は生まれてこのかた、
毎年決まった日に巡ってくると決まっている。

と、思っていたら、そうでないことがあるのだった。
陰暦(旧暦)の影響が日本よりも強く残っている国、
おとなり韓国の友人は、ええとね、とつぶやくと、
おもむろに携帯画面をタッチ操作し始めた。

電子手帳を兼ねた大きな画面にカレンダーが表示される。
そこには各日付に割り当てられた二つの数字、
太陽暦(地球の公転周期)での年月日と、
太陰暦(月の公転周期、正確には閏月で調整する太陽太陰暦)
での年月日が並んでいる。

「私の誕生日は陰暦なのです。
 ですから陽暦の日本では毎年誕生日が変わります。
 でもほら、ね。韓国のスケジューラーは、
 どちらも表示するからすぐわかる」

これほしい~。風流ですね~。
昔の俳句や和歌が詠っている季節は、
太陰暦だったんですよ。

画面にかじりついているところを、
友人はにこにこ眺めている。

でも理由はそれだけではなかった。
この暦があれば、もしかして体調管理が楽かも、
と、カレンダーを見つめていたのだ。

多くの生き物の産卵や出産が、
海の影響を受けていることはよく知られている。
海は月の影響を受けて満ち引きしていることも。
人間も例外ではない。満月と新月の前後は、
統計的に出産数が増える。

毎月の私たちの生理だってそう。
普通のカレンダーで管理するより、
月のカレンダーのほうがよくわかる。

そう思うようになったのは、
布ナプキンを使うようになってから。
不意の始まりに、薬局に駆け込んでも、
当たり前だけどケミナプしか手に入らない。

でももうそれはイヤだと、私の体が、
頭で妥協しても、付けたとたんの冷えとか頭痛とか、
あらゆるサインで拒否してくるから、
いつから始まるかをある程度予測して、
その少し前から布を持ち歩くようになった。

かさばって不便だとか、
失敗したらどうしようという不安はある。
でもそのぶん、暦や体、布や水についての、
こまやかな知恵や工夫に関心を持つようになった。

そんなとき、CPPのミーティングで、
経血コントロールの話が出た。
布ナプキンで受け止めるだけでなく、
出す出さないを自分である程度、
コントロールできるはずだという。

ならば変化は劇的だ。
持ち歩く布の量も減る。汚れも減る。
洗濯も少なくてすむ。なにより失敗しなくていい。

おそらく昔は女性の間の暗黙知だったのだろう。
ケミナプがない時代のほうが、ずっと長かったのだ。
私たちがきっともっと上手にできるはずのこと、
それを伝え、広めようとしている運動のことも聞いた。

心と体は不思議で、
「できる」と聞いたとたん、スイッチが入る。
現実に、そのことを話してくれる人の声や顔、
言葉のあたたかさが、今まで考えもしなかった、
一人なら信じられないことに取り組むパワーをくれる。

10月23日は五日月。
実は三日月のイメージは、
ちょうどこの頃の月齢にあたる。

月経血コントロールセミナー、
よかったら行ってみてください。
布ナプキンを始めた人は、
きっと役立つと思います(^^)