2007年12月25日(火)違う梢で

鵯(ひよ)の声がする。
都心の大学のキャンパスにある、
高い高い、銀杏の木。

梢に数十羽とまって鳴き交わしている。
鋭く伸びる美しい声。
鳩が近づくが、あわてて方向転換する。

地上から見上げると、
冬支度で裸になった木に、
パラパラ映るシルエットは、
落ちきらなかった大きな葉っぱのよう。

夕方、雀だけでなく、
鵯も集会するんだなあ。
気の強い葉っぱ。
都会のカラスも一目置く。

葉っぱたちは、忙しそうに、
ときどき羽ばたいたり、
向きを変えたりしている。

この冬が彼らにとって、
越しやすい冬でありますように。

迎えが来て、
再び人との会話に戻る。
来年のために、一日中話をしている。
このところ毎年クリスマスあたりは、
こんな感じかもしれない。

そうやってパタパタするうちに、
街の飾りも清々しく年迎えに変わる。
私もそろそろ羽繕いしなくちゃ、と思う。

さっき見た銀杏の梢に、
お鏡のような月がかかっている。
一休みした鵯たちは、
どこに飛び去っただろう。
一羽一羽、違う梢で、
どんな夢を見るだろう。