2007年9月24日(月)ココニイルヨ

生まれて初めて、
きのこ狩りというものに、
参加させていただいた。

強烈な体験で、
そのあと目に入るもの入るもの、
きのこに見える。

今まで眼の前にあっても気づかなかっただろうに、
土や木から飛び出た形状のものには、
いまや即座におや、と見入ってしまうのだ。
この状態、いつまで続く。

tengu
天狗三兄弟。
左のふたつは若いベニテングタケ。
右のはふつうのテングタケ。

もうひとつ、タマゴタケの成長も。
タマゴ

それにしても、
ポコポコ、ポコポコ、
食べられるきのこも猛毒のきのこも、
おかまいなしにあちこちから顔をのぞかせ、
ぎゅうぎゅうと菌糸をはりめぐらせ…。

秋は偉大な腐食の季節、
でもあるのだなあ。

林の中、下を向いて、
きのこきのこと探していたら、
みなの声が遠くなってきて、
ああ、戻らなくては、と思った。

振り返ると目の前に楢の木。
根元近くに、
きれいな黒のフリルをまとっている。

フリル?

じっと見入って、
そっと取っていった。
見ていただいたら、
舞茸だった。

野生の香りは気高くて、
息を吸い込むたび湿った森を思い出した。
それは、家に帰り着くまでずっと、
動く鉄の箱の中を幸福で満たし続けた。