2007年2月20日(火)時の果実

おや、と思ったのが昨晩。
情けないハナシだが、
暖かくなってきたのに、
風邪の気配、濃厚なり。

幸いどうしても外で、
という用はない日だったので、
用心して体を休めることにする。

となると、この際ということで、
取り出した7巻ものの大作DVD。
うとうとしながら楽しく見てしまった。
何年ぶりだろう、こんな映像三昧は。

幕末から明治に移る頃。
約150年前のヨーロッパと、
それに遭遇した日本の光と絶望。
あらゆる背景、風俗、大小の道具がおもしろく、
巻き戻しとコマ送りを駆使。

東西の往来はどんどん簡単に、
そして多くの人々にチャンスは広がったけれど、
それは同じ衝撃を大勢が抱えるようになった、
ということを意味するのではないか。

何が先進的、何がオシャレ、という基準自体、
西洋ショックは今も衰えないなあと思う。

「カフェーには砂糖を入れて飲むがよい」
「ここを持つのじゃ。熱いゆえ気をつけよ」

しかし今その映像を見る私たちには、
豆と砂糖は植民地から来たこと、
そのためにその場所でどんなことが起こったか、
ということもわかっている。

後に生まれた者たちは、
いつのまにか視点の広がりを獲得している。
目の前のものがどこから来たかを、
ある程度正確に想像することができる。

いいことばかりでは決してないけれど、
歴史の力も自然の恵みのひとつだ、と思う。