11月25日(土)ぴくぴく動くなにかを手にし

現在、CPPの関連書籍『重曹生活のススメ』、
『魔法の粉ベーキングソーダ335の使い方』は韓国で、
『やさしい重曹生活』は台湾で、
翻訳出版されている。

地味な生活実用書であるにもかかわらず、
すっと海外に旅立てたのは、
ひとえに出版社さんやエージェンシーさんのおかげだが、
これらの本に目をとめてくださった、
見知らぬアジアの編集者さんたちにも、
深い感謝の気持ちを抱いている。

それと同時に、本が出ている国々の、
土壌や水質はどうだろうと想像を巡らす。
自然物質の原理や作用は不変だが、
風土に合わせてそれぞれの量や濃度、
取り合わせを変える必要があるだろう。

8年前、アメリカで出版予定のとある原稿を読み、
初めてこういった考え方暮らし方に出合ったとき、
やはり違和感があったのは、レシピ材料の量や比率だった。
アメリカっぽいね、といいながらそれを楽しみ、
少しずつ日本流に理解していった。

アジアでもそんなふうに、
楽しんで消化してくださればいいなと思う。
それぞれの自然と文化に合った新しいノウハウが生まれ、
生活者同士の鋭い意見交換が始まると愉快だ。

公開された知識は龍のようだと思うことがある。
人間の精神を自由に旅する。
千変万化して世界を守護する。

一生のうち、どれだけ龍と出会い、放てるか。
目に見えないけれど、それは確かにネイチャーゲーム。
ぴくぴく動くなにかのキャッチアンドリリースを繰り返し、
いつのまにか周りの山河の美しさが心にしみ込んでいく。