11月3日(金)暮らしの中の禅

昔、看護師さんだった人。
昔、薬剤師をやっていた人。
昔、栄養学者だった人。
昔、化学者だった人。
昔、生物学者だった人。

これらの方々は皆、女性。
今はもう白髪の、品のよいお婆さま方だけれど、
共通点がひとつある。

重曹を暮らしに使っているということ。
そのことを口にすると、「ああ」とうなずき、
当たり前のこととしてわかっている人々だということ。
会うと不思議な勇気をいただく。

あなたたちのやっていることは、
生命の本質に向き合うことですよ。
誰でも、どこでも、いつまでも続けていける、
命の守り方を身につけると一生の宝になりますよ。
ええ私などは、お恥ずかしいことながら、
勉強と仕事に明け暮れて、
お茶もお花も習いませんでしたけれど。
お料理も見よう見まねでした。

でもそうおっしゃる方々の、
暮らしがひときわ美しい。
重曹をはじめとした自然物質を使い、
静かで端正な暮らしを送っている。

おそらくそれは「飾る」「磨く」とは別次元の話なのだ。
もっと根源的な、文化以前の道理の話。
それゆえだろうか、彼女たちの暮らしの中には、
ミニマリズムというか、禅に近いものを感じる。
おばあさま方は、全然意図してないのにね。