喉に違和感。
風邪、ではないと思うけれども、
なにかひっかかる感じがずっと取れない。
どうも調子がよくない。
良くなろうとする体の力と、
自然の理にしたがって圧迫してくる内外の力が、
シーソーしている。
人は気圧が変わるとき、
前線と一緒に持って行かれる。
機嫌や体調だけでなく、
時には命を。
梅雨末期の、急激に上がり下がりする低気圧の波が、
目には見えなくても体を洗っているのがわかる。
でもそれに普段通り対抗できず、
アップアップしているということは、
体力低下を起こしているということだ。
やっぱり腹に風穴を開けてしまったことか。
ダメージは浅いつもりだったけど、
2、3日で治るつもりだったけど、
そしてそれなりに修復はされたけど、
何の問題もなく整っていたミクロ世界の秩序を、
めちゃくちゃに壊したツケは大きかったかもしれない。
左鎖骨の上を圧して、
リンパのフタを開ける。
いわばここは全身の排水溝。
詰まると目も喉も肩もやられる。
このところ、トロイの木馬よろしく体内で暴れ回った、
エイリアンたちの死骸を静かに流し去る。
その量たるやいつもの比ではなく、
またしても私という名の意識の門番は、
猛反省するのだった。