「光」に変えた途端、実は、トラブっていた・・・。
連日それで、くたくた・・・。
PCそのものもそうだけど、通信手段が絶たれると、後のフォローって更に大変だ。
電話をかけたり、ものによっては直接届けに行ったり、宅急便で送ったり・・・・・。
こんなんなら、ADSLのままで良かったよ・・・・と思ったほどだ・・・。
家に帰ってまで、電子的な音も、画面も見る気がしなくて、目を瞑って音楽を聴いていた。
これも、デジタルな音ではあるけれど・・・・。
私はもともとポップス系が苦手だ。
元気なときは聴きもするけれど・・・特に安っぽくて猿真似な日本のものはどうにも好きになれない・・・。
昔、ボーイ・ジョージが、来日の際、ある有名な音楽番組で「どうして、日本の歌手は歌が下手なの?」と、通訳にこっそり聞いたのは有名なお話・・・。
今売れてるミュージシャンの中で、歌唱力その他で、本当に実力があるヒトって・・・いるのかな?
全部同じに聴こえてしまうのだけど・・・私には・・・。
(オバンになった証拠かもしれないけど・・・昔からだしなあ・・・・・矢沢好きな男子や、甲斐バンド好きな子に無理やりテープを貸されたけど・・・一応聴くには聴いたけどどうしても好きにはなれなかったなあ・・・・まあ、音楽は嗜好品だから、好き嫌いは仕方ないけどね・・)
フジコ・ヘミングの「ラ・カンパネラ」を聴いている。
一度床に落としてしまって、聴けないところのあるCDなんだけど、この部分は無事なので、そこだけリピートして何度も何度も聴いている。
これって、日本でメジャーなのは、やっぱり水谷豊のあのドラマで毎朝音楽コンクールの課題曲だったせいですよね・・・?(あのドラマ・・・・覚えてます・・・?年がバレバレだわ・・・)
ソナチネの入り口でピアノをやめてしまった私には到底弾きこなすことなんてできないリストの曲。
ドラマ以前にこの曲は知っていたし、好きだった。
いつか上手くなったら弾いてみたいと思ってさえいたけれど、楽譜を見たときに、こりゃ無理っす・・・・と思いました。
リストの声が聞こえる・・・「弾けるもんなら弾いて見やがれ・・・へへへへ・・・・」
と、あざ笑われたような気さえするほど、複雑なテクニックを必要とする曲だった。
右手だけで、リズムとメロディ両方担当しつつ、7オクターブを行ったり来たり・・・。
正直、おたまじゃくしがあれだけびょーんと伸びて、上の五線譜、したの五線譜に突っ込みそうな勢いの音が、「ソ」なのか、「ラ」なのか、一瞬で判断なんかできやしません!
筋がつっちゃうよ・・・どの指も休む暇もない。
リストと言う人は、ものすごく卓越したテクニックを持った人だったのだと、その楽譜を見て思った。
うわさどおり・・・。
で、なければ、これは創れんでしょう・・・^_^;
でも、上記のドラマも手伝って、なんだか、華やかで、きついイメージの曲に私の中で凝り固まっていた。
「どうだどうだ!」みたいなね・・・。
私の記憶が正しければ、もう一曲はポロネーズだったと思う。
ところが、フジコ・ヘミングは、この曲をなんと物憂げに、気だるそうに弾きこなすのか・・・・。
まるで連休のなか日の昼間にのんびりボサノヴァでも聴いているかのような気分になる。
普段着のラ・カンパネラ・・・・。
ナチュラルで、癒し系の曲に変わってしまうとは目からウロコでした。
生で聴きたくて、コンサートにも行きました。(コドモが発熱したのに、おばあちゃんに3時間ほどお願いしてまで!鬼母!!)
本当に素晴らしかった。
そこで買ったCDなので、傷が入ってもなんだか捨てられない・・・。
同じものは売っていても・・・。
聴けば聴くほど、まるで、水にでも体が同化したような気分になって、ようやく体が弛緩する。
即効性のある弛緩剤は、心も少し緩めてくれて、PCのせいで張りつめていたことが良く分かる。
彼女のキャラクターや暮らし方、人生がどうだこうだとマスコミは取り上げる。
私にはそんなことはどうでもよく、彼女の作る、音楽世界に魅了されてしまう。
一期一会・・・でも出会えて、音楽を聴けたことに、同じ世代に存在できたこと、それが奇跡だ。
CDを聴きながら、私はまた、彼女のコンサートに行っていたのだろうね。
幸いにも数年前終わってる子供のバイエルが家にある。
基礎からもう一度ピアノを弾いてみようかな、と思う。
乙女の祈りや、エリーゼのためにでさえ、もう上手に弾けない私だけど、子供だったあの時、あのメジャーな曲をモノにできたときは、本当にうれしかったことを思い出す。
キライ・キライ・・・と思っていたけど、実は好きだったのかも知れない。
才能はないけど、少し、指を動かしてみようかな。
中年の手習い・・・・ってことで。
今なら、もっとピアノと仲良くなれそうな気がする。
そんな気さえする、フジコ・ヘミングの音楽世界に私は魅せられている・・・・もう、ずっと前から。
そして多分これからも・・・・。