玄関ドアにメモを貼り、
にやにやしながら畑に行く。
夕方、宅配の荷物がいくつか届くことになっており、
呼び出してくれるように頼むメモだ。
すてきなフレーズ。
一度やってみたかったことだけど、
この地で叶うとは思わなかった。
まだ雨は降り出さず、
風で帽子が吹き飛びそうだが、
手入れは完遂できそうだ。
携帯が鳴る。
急いで戻ると宅配のお兄さんのびっくりした顔。
そりゃそうか。
ゴム長に麦わら帽子、タオルに軍手。
あー、あまり見かけないスタイルにて失礼。
昔は畑まで犬が呼びに来てくれたよ。
祖母の話を懐かしく思い出す。
今は携帯の電磁波に呼び出され、
家も菜園も道路も、
みんな都会仕様でせわしないけど、
ほんのちょっとだけ、
ままごとのようなモノ真似。
メモのところだけ、
時空はたゆたう。
ラララ、
雨ニモ負ケズ。
風ニモ負ケズ。