6月15日(木)思わず触れたくなるような

石けんの彫刻、
というものがあることを知った。

泡のようにも、
繭のようにも、
マシュマロのようにも見える、
人の背丈以上の巨大な石けん。

温かで優しい質感で、
触りたくなるようだ、と言うと、
本当に触っていい彫刻だという。

何十トンもの石けん。
展示が終わるとこの彫刻たちは、
どんな運命をたどるのか、
材料が実用性を持つだけに気になる。

削られたり、
切り取られたり、
雨に溶けたり、
しちゃうのかなあ。

いやいや。
どうしても常設展示館を作るという人に、
全部まとめてもらわれていきました。
北欧に引っ越しましたから、
実際に触るなら、
近くに行ったときにね。

どうして石けんで彫刻を?

答えは一瞬の間をおき、
宙を見つめながら返ってくる。

なぜでしょう。
ただ石けんが好きなんですよ。
それでなにか得をしようというより、愛おしい。
一緒に生きていきたいと思うからでしょうか。

温度が下がると溶けにくい、とか、
硬度が高いと石けんカスができやすい、とか、
きちんと濯がないと黄ばみの原因になる、とか。

デメリットと呼ばれるものはある。
でも、それを含めて、
単純に好きなんでしょうね、
石けんというものが。

ときどき、
ものを通じてこんな出会いをする。

好きこそ仕事の上手なれ。

ちょっと違うけど、
やっぱホントそうだ、と、
そのたびに思う。

史上最強のボランティアとは、
「好き」を仕事にしている人のことだ。

ビジネスを突き抜けて、
本当の報酬は、
愛情の先にある。