リハビリ室はエネルギー満々!

ちょっと早い時間に病院に行けた。
病室はもぬけの殻。
4階にあると言うリハビリ室に行ってみた。

いたいた・・・・。

運動(?)前のマッサージ中だった。
最初は母しか目に入らなかったのだけれど、ふと周りを見ると、ここはすごいところだった。
がんばってる人と、がんばらせてる人達のエネルギーに満ち溢れ、大きな声や励ましが飛び交い、それぞれのレベルに合わせた運動をみんなやっていた・・・。

カテーテルを着けたまま歩行器で歩く訓練をしている人、母よりも重い、全身麻痺だけど、手だけでも動かそうと、物をつかむ練習をしている人。
何度も何度も立つ練習を繰り返している人。
歩く練習をしている人は、ほんの足を前に数センチ動かすだけで汗びっしょりになっている。

この病院は脳神経外科の専門だから、ただの外科的なリハビリの人はいない。
みな、脳の障害ゆえのリハビリなのだ。この中では、母はまだまだ軽症なのかもしれない。
言語や右半身が不自由でも、左は動いて、介添付なら自分でなんとかご飯も食べられる。

言葉での意思の疎通が難しい母には、大きな声と、ジェスチャーで、色々と教えてくれる。
さすがプロ、うまいのだ、タイミングといい、空間の図り方といい・・・。
私はまだ、この母のスピードやレベルに自分のほうを合わせることが出来ないので、なんともお間抜けだけれど、いずれはなんとか合わせないとね・・・・。

まったく無表情だった左半分の顔が少し動いているようだった。いい傾向なのかどうなのか分からないけれど、いい方に思いたいのが娘と言うものだ。

座る練習は長く、単調で、しかも体はかなり辛い感じだった。
母の顔が何度か痛みにゆがんでいた。でも、やはり、やめたりはしない。
付加を軽くして、それでも続ける。

これがあってこそのこの回復だったんだなあ・・・と、そういう母の姿を見ながらしみじみ思う。

「なんとか、自分で座れるようになって欲しいんですよ。ぐっと生活の幅が広がりますからね」
と、処置をしながら理学療法士さんが私に話しかける。
「本当ですよね・・・」

母や周囲を、よほど私はアホ顔で見ていたんじゃないかと思う。
「お母さん、がんばれ!家帰ろうよ、元気になって!」

ま、元気になってなくても家には帰ってもらうんだけど、元気でいてくれるに越したことはないよね。

その間にも歩行訓練の人は、「今日の目標、10周!」と、担当の人に言われ、「1、2、1、2、・・・」と、声を出しながら少ししか動かなくなった足を一生懸命踏み出してがんばっている。
「あと、8周」と、声がかかっても、振り返りもせず一生懸命なのがこちらに伝わる。

みんな、少しでも上に行こうと、本当にがんばっている。

母と同じく、認知に困難な人もいた。
でも、がんばっている。