used or new

中古品・ユーズド・・・・こういったものってどうかしら?
いろいろ意見は分かれるみたい・・・。

でも、私はモノにもよるけれど「中古品」ってとても好き。
特に、「お古」と呼ばれるものの中で、すごいと感じるのは「着物」。

幸いなことに、私の実家は女の子は私しか生まれなかったので、祖母も母も、私にその貴重なものを譲ってくれた。
これだけのものは、今ではそうそう安い値で手に入れられないのでは・・・・・?と思うような着物をいくつか持っているのは、着物を見る目のある祖母がいたおかげ。
だから、祖母から譲ってもらった着物は、どれもすばらしい。
母のものは、保管が悪く、ちゃんと着物の扱いを学んでいなかったのだろう・・・変な折ジワがついていたり、着られるようにするまで手間がかかった・・・。
なんと、しつけの着いたものもあった・・・。
そういえば、母が自分で着物を着るところを見たことがない・・・どうもあまり好きではなかったようだ・・・。

祖母からもらった大島は、体にぴたりとなじむ着心地のよさに驚いた。
今では到底私が買える値段のものではなくなってしまったけれど、大正レイデイのおばあちゃんの娘時代には、結構値ははるけれど、いい紬ということで、嫁入りの時に、お母さんから買ってもらったのだそうだ。
今のように、モノがあふれた時代ではなかったその頃は、何でも大切に、最後まで使い続けた・・・。
擦り切れた着物は、一回り小さく裁断して、子供たちに着せたり、和装小物の材料にしたり、手持ちの人形の着物に・・・と何度も仕立て直されたり、利用されたりしていたそうだ。
私が最初に手にしたお手玉(おじゃみ)はおばあちゃんの絣をほどいて作ってくれたもので、覚えていないけど、赤ちゃんの頃にオムツにしてくれていた布は、おばあちゃんと母の寝巻きをほどいて縫ったものだったということだった。
モノの命を最後まで紡ぐということは、確かに最近の私たちにはできていないかもしれない・・・。

母や祖母からもらった着物のいくつかは京都に出し、パールトン加工(撥水)をしてもらっているので、雨の日でも外へ着て出かけられるようにしている。(本当はナチュラルな方法ではないけれど、外で着れるかどうかはかなり重要な事項なのだ!)

今年のお正月は、風邪をひいて寝込んでしまったので、着物を出す暇がなかったけれど、一着出して、コンサートへでも出かけようかと、このブログを書きながら思ってしまった。

こうなってくると、義務教育に着物の着付けや、茶道、花道がないことがいかにもおかしいことな気がしてきた。
色々な国の人が集まる会議なんかがテレビでよく映るけれど、民族衣装を着ている人達が、あれを自分で着られない・・・なんてことあるだろうか?
例えば中近東、例えばインド・・・・。

せっかくある、民族衣装や文化を私たちはもっと世界に誇るべきで、自分たちの手の内に納めるべきではないかと思う・・・・。
江戸時代の人達・・・と言えば明治の前、ほんの最近のことだ・・・。
その時代の人達が、ラクラクと着て、動いていた・・・そんな衣服を、私たちが楽しめないわけがないのだ。

着物と帯を合わせる楽しみ、小物を選ぶ楽しみ。
そんなことの積み重ねが、この国に生まれたことを喜ぶ私へと変わった。
面倒くさくても、その「面倒=無駄」の中にある真実こそが「ゆとり」ではなかったのかと、気ぜわしい世間を見ていて思う。

どうだろう、羽織袴や留袖の国会!(公式な場なんだから別に正装でいい訳なんだから・・・・?)
外務省の諸外国訪問も必ず着物で・・・・・。
そうすれば、いけ好かない・・いつも苦虫を噛み潰した顔をした議員の皆様も、おんなじ顔をして、おんなじめがねをかけて、おんなじ色とデザインのスーツを着て、おんなじはげ頭をしたお役人の人達も、もっと威厳が出るのに・・・・と思うんだけどな?
外国の高官に会う時、あちらは民族衣装で、こちらは猿真似のスーツだからきっと交渉ごとも進まないんじゃないの?なーんて考えてしまう。

でもね、着物って衣装は、日本人に一番フィットしているのは当たり前だけど、それ以上に、諸外国の人には威厳を感じてもらえるんじゃないかと思うんだけどな?

結婚した年に、するするっ・・・と着物を着る私を見て、主人は正直「こいつすごい!」と思ったんだそう・・・。
(あの頃は、まだお茶もやっていたので、よく着物を着ていたからなあ・・・・)
でもね、江戸時代以上前の人はみんなできたことなんだよね・・・だから、私たちみんな、できないこと絶対ないのよね・・・。全然すごいことじゃありません。

でも、それをすごいと言わせるほど、日本人の文化が落ちぶれてしまったと言うことなんだね・・・きっと・・・。
「愛国心」なんて、論ずる前に、文化を大切にしないと、ますますこの国を愛する人が減ってしまうと思う。

着物は文化、食べ物も、家も・・・・。
着物には言い足りないこともいっぱい。
また、そのうち熱く語ります!