昨日から今日が続いている。
結局横になる時間なく家を出た。
若葉の緑が美しい岐阜山中に分け入る。
駅からはタクシー。
今年は寒い。恵那山にまだ雪が残っている。
と、運転手さんがぼやく。
今年に入ってからずっと寒い。
こんなに天候が変ではなにか起こるんじゃないか。
うーん、そうかもしれませんねー、と答え、
しばし沈黙。
「美味しいもの食べとかないとね」
ポツリと運転手さんがいう。
とたんにいや実に、まことその通り、
と爆笑するのだった。
どこからこんなに湧いて出た、というくらい、
人が押し寄せる山の中で、
ひさしぶりに物流打ち合わせ。
手作りのふきみそやよもぎもちをお茶受けに出していただき、
口にしたとたん、なつかしい味の記憶が噴き出す。
食べに来たんだか、話しに来たんだかわからない状況に突入。
いやはや。
いろいろ話すうちに、
やっぱり、今様“海彦山彦”でいこう、
という思いを新たにする。
ほしいものは、
ほぼこの世に揃っている。
あとは各ポイントに通ずる道を、
どのように張り巡らせるか。
それが肝心のようだ。
ひとりではできないことが、
人と人のムスビによって少しずつ現実になっていく。
なんという奇跡の世界。
生きている、ということはやっぱりすごいことだ。
お昼にいただいた朴葉寿司が、
とても素朴な美味だった。
ああ。
食べ物につられて生きてるかも。
それが一番の奇跡かも。