5月5日(金)山幸彦に会った

昨日から今日が続いている。
結局横になる時間なく家を出た。
若葉の緑が美しい岐阜山中に分け入る。

駅からはタクシー。
今年は寒い。恵那山にまだ雪が残っている。
と、運転手さんがぼやく。
今年に入ってからずっと寒い。
こんなに天候が変ではなにか起こるんじゃないか。

うーん、そうかもしれませんねー、と答え、
しばし沈黙。
「美味しいもの食べとかないとね」
ポツリと運転手さんがいう。
とたんにいや実に、まことその通り、
と爆笑するのだった。

どこからこんなに湧いて出た、というくらい、
人が押し寄せる山の中で、
ひさしぶりに物流打ち合わせ。
手作りのふきみそやよもぎもちをお茶受けに出していただき、
口にしたとたん、なつかしい味の記憶が噴き出す。
食べに来たんだか、話しに来たんだかわからない状況に突入。
いやはや。

いろいろ話すうちに、
やっぱり、今様“海彦山彦”でいこう、
という思いを新たにする。

ほしいものは、
ほぼこの世に揃っている。
あとは各ポイントに通ずる道を、
どのように張り巡らせるか。
それが肝心のようだ。

ひとりではできないことが、
人と人のムスビによって少しずつ現実になっていく。
なんという奇跡の世界。
生きている、ということはやっぱりすごいことだ。

お昼にいただいた朴葉寿司が、
とても素朴な美味だった。

ああ。
食べ物につられて生きてるかも。
それが一番の奇跡かも。