久しぶりに家にいて、
ボーッとする。
山盛りの洗濯物をたたんだり、
いくらなんでももう着ないだろうという、
冬物を整理したり。
昼過ぎ。
近く撮影予定の、
重曹その他の自然物質を使った、
シンプルなボディケアグッズを何点か作る。
いくらでもアイデアが湧く。
夕方。
久しぶりになじみの大工から連絡あり。
しばし愚痴とも自慢ともつかぬ話を聞く。
オレ、ろくな人生歩ってないからさー。
でもオレの作った家にお客さん喜んで住んでくれてるってのが、
今じゃ一番うれしいんだよねー。ずっと現役やりたいよー。
今までで一番素直な話が聞けてよかった。
それのお祝い、と、ビールで乾杯する。
電話口だけど、
人のお心の温かい気配が伝わってくる。
ひたひた、ひたひた。
空気も、少し湿りけと温かみを帯びてくる。
空には分厚い雲。
夜はずっとShostakovichを聴く。
やがて雨は本格的になり、
すぐ隣の小さな畑の土に音もなく、
新しい水が降り注ぐのを聞いていた。
見えず聞こえず地をうるおす。
もうすぐ若草色の、
みずみずしい心のような、
五月が来る。