4月23日(日)音もなく降り注ぐ

久しぶりに家にいて、
ボーッとする。
山盛りの洗濯物をたたんだり、
いくらなんでももう着ないだろうという、
冬物を整理したり。

昼過ぎ。
近く撮影予定の、
重曹その他の自然物質を使った、
シンプルなボディケアグッズを何点か作る。
いくらでもアイデアが湧く。

夕方。
久しぶりになじみの大工から連絡あり。
しばし愚痴とも自慢ともつかぬ話を聞く。

オレ、ろくな人生歩ってないからさー。
でもオレの作った家にお客さん喜んで住んでくれてるってのが、
今じゃ一番うれしいんだよねー。ずっと現役やりたいよー。

今までで一番素直な話が聞けてよかった。
それのお祝い、と、ビールで乾杯する。

電話口だけど、
人のお心の温かい気配が伝わってくる。
ひたひた、ひたひた。
空気も、少し湿りけと温かみを帯びてくる。
空には分厚い雲。

夜はずっとShostakovichを聴く。
やがて雨は本格的になり、
すぐ隣の小さな畑の土に音もなく、
新しい水が降り注ぐのを聞いていた。

見えず聞こえず地をうるおす。
もうすぐ若草色の、
みずみずしい心のような、
五月が来る。