4月9日(日)高速富士見処

ベイブリッジから富士山が見える。
高速で通り過ぎる橋だから、
しげしげと眺めるわけにはいかないが、
見えるときはいつも、その大きさにギョッとする。

すごい遠いのに、あんな大っきい…。
マジでかいんだ、富士山って。

威容という言葉がよく似合う。
人間の作った街や道路の後ろに、
全然違うスケールでぽっかりと富士がある。
富士山好きと言われる日本人でなくても、
この風景を見ていれば、いつのまにか、
心の中に富士が焼き付くだろう、と思う。

鹿児島の桜島も、心に焼き付く山だ。
いつもモクモク煙を吐いている正真正銘の活火山。
鹿児島市内の賃貸マンションは、日当たりよりも、
桜島が見えるかどうかで家賃が上下する(と聞いた)。
細かい灰を降らせ、土地を細らせ、人々の暮らしを圧迫する。
にもかかわらず、人間の精神の支柱に入り込み、
生涯消えることのない刻印を押す。

たぶん、それぞれの地方に、
そういう御山があるのだろう。

でもやっぱり、
物理的な大きさ、高さという意味で、改めて、
♪富士は日本一の山♪だと思う、
時速100キロの景色。

さっ。
富士に比べて圧倒的に小さい人間は、
必死でアクセルを踏み。
びゅんびゅん!
急げ急げ!

御山がくしゃみせぬうちに。