祝、WBC日本優勝。
経緯を見守っていた人も、見守らなかった人も、
この結果には感動したのではないか。
露骨に勝ちに行く態度を示し、
フェアネスの伝統精神すらねじ曲げて、
負ける余裕を失っていたように見えるアメリカ。
スポーツで国威発揚すれば徴兵免除もありうる現実と、
歴史的経緯も手伝い、痛々しいほど剥き出しの闘志を見せた韓国。
様々な国の思惑が交差する中、
コンマ1の差で優勝決定戦のチャンスを手にした日本は、
キューバとともに本当のフィールド・オブ・ドリームスを見せてくれた。
アマチュア野球しかない国、キューバの選手たちが、
最も紳士的で、このスポーツを単純に愛している者たちの志を、
素直に具現化しているように思えた。
決勝戦は、だから見ていて涙が止まらなかった。
さわやかなファイトだった。両軍ともに、久々に。
「すがすがしい」という言葉の意味を改めてかみしめた。
選手たちの、とりわけ強い光を放つ瞳が印象的だった。
目の前の問題に拘泥しすぎることなく、
それは腹に収めて、収まらなくても収めて、
その先にある理想に向かって営々と歩む。
現在の悩みなど吹き飛ぶ次元に飛翔する。
やっぱりそれでいいんだ、
それしかないんだ、
近視眼的に戦っていても意味ないんだ、
どんなに遠くても、それに向かって歩むことが、
現実の惨めさを救って余りある、
真のエネルギーをくれる。
サムライなど、もういない時代だと思っていたけど、
やるじゃないか! そのことがうれしくて、
ずっと涙ぐんでいた、今日は、
昼の光と夜の闇が同じ分だけ混じり合う、
陰陽反転の日。