昼の混雑の終わったお寿司屋さんで、
今夜のために次々仕込まれる新鮮このうえないネタを、
ちょっとずつ握っていただきながら、しばし打ち合わせ。
あとは朝まで仕事場で、大量の文章に目を通す。
ウラという音には、
心という字も当てられるという。
ウラは浦、裏。
ウラ合うのが占い。
ウラミは浦見、裏身、しかし、恨みでもある。
田子の浦ゆ うち出でて見れば 真白にそ
富士の高嶺に 雪は降りける (山部赤人 万葉集)
そうか、と思う。
心(ウラ)とは「海辺」のことなのか。
陸上の汚れは、
波打ち際で海に洗われたとたん、
クルリと反転、浄化のプロセスを歩み始める。
まず、海水に含まれる大量の重曹が、
最初に汚れを一次分解するのだ。
古代の人は知っていたのだろうか。
ウラは、浄化の最前線だということを。
私たちの内なるウラは、浄化しているか。
万葉人の詠んだように、のびやかか。