2006年1月23日(月)やわらかなアワビ

残っていたレポートを急いで書いてから仕事場へ向かう。
電車の中でパソコンを広げていると、
左隣のおじさんに、携帯ラジオとハウリングするので、
電源を切ってくれと頼まれる。
やりかけの推敲があるので、困って右隣のおじさんを見ると、
ハイハイ、という感じで席を交代してくれる。
電磁波は距離の3乗に比例して減衰する。
ありがとう、おじさんたち!

夜8時前にはテレビがホリエモン逮捕を伝えていた。

9時半に某ホテル「懐かしの社用族御用達ラウンジ」見学に合流。
もう火を落としていたのに、アワビのステーキを焼いてくださり、
舌鼓を打ちながらエネルギー充電。
アワビは肉よりも火の通し方がむずかしく、
火を通さなくても通しすぎても固いそうだ。

シェフの手さばきに見とれていた。
調理とお客の相手を洗練した物腰で一度にこなす、
それもひとつのスターシェフの姿だろう。
テーブルマジックを見ているようだった。

無意識ということを考える。無意識になるほどの洗練。
そこに至るまでに、一度全てを意識化するプロセスがある。
アワビの動き、油のはじける音、フタを置く時間、ひっくり返すタイミング。

正確に細かく意識すればするほど、後のオートモードは芸術に近づく。
毎日の暮らしを意識化することも、その一環だと思っている。

はやし立て、蜘蛛の子を散らすように逃げる。

話題にすることと、意識化することは違う。
批評することと、意識化することも違う。

見て、感じて、まっすぐに本質を問う。
不動の視点を持てないものか。

最後に飲んだスウィートシェリーは、とてもおいしかった。
うとうとして、友人たちに笑われながらだったけれど。