彼女たちが一緒でよかった。もちろん大きな彼も。
無農薬玄米を作っている吉松さんのお話はむずかしくて眉間にシワがよる。
大切なお話がたくさんつまっているのに。なんと情けない!!
帰りの地下鉄では爆睡だろうと予想していたが、
一番小さい彼女のようにテンションは超上がりっぱなしだ!!
家についても興奮はさめやらない。
家族や友だちに一生懸命話す。
乏しい写メを見せ、自分の記憶に残った風景や、
虫や動物や食べ物の話。
「虫のふんがかかっているかもしらんけど、農薬よりはましだ!」
ぶどうの実の味を彼女は忘れないだろう。
重曹生活をはじめて5年ほど。
やっとここまでこれた。
でもまだまだここまでしかこれない。
食料品のお買いもの。
わたしも含めてなんだか本当の食事をしていない。
買える食べ物がない!!
化粧品や化学繊維で身をかため、
合成洗剤や人工香料にかこまれて感覚が麻痺しているよう。
口に入るものまでも、なにか本物ではなく・・・。
私たちはなにで出来上がっているのだろう。
まるで何か大きな工場で生産された、
与えられた部品と与えられたモノに囲まれできあがっている、
生き物ではない。
一体誰なのか?何が行き来しているのか?
ちいさな子供たちが小さな庭でボールを蹴る。
たのしそうな笑い声が響く。
でも彼女たちや彼は本当に心から、笑顔だった。
本当の人間の姿だった。
とても楽しかったのになんだか泣けてくるのは何故だろう。