淘汰すればするほど

この正月に心ならずも(?)、
家電量販店をハシゴする機会があって、
久々にウォッチャー魂がうずいた。

一番驚いたのが卓上食洗機の淘汰だ。
メーカーが3社くらいに絞られている。
初めは量販店だから売れ筋しか置いていないのかと思ったが、
別の店に行っても同じなので、やっと最新の状況に気付いた。

これなら以前ほど選ぶのに迷うことはないだろう。
マーケットの勝者はどれも機能的に大差ない。
むしろそれがキッチンに置けるサイズか、
価格はどれが安いか、などといったことが、
現実的な購入の決め手になるに違いない。

食洗機専用洗剤を入れてスイッチを押す。
卓上タイプはリンスポケットのないタイプばかりなので、
コースのバリエーションや洗浄能力のレベルは似ている。

でもほんの数年前、卓上食洗機が出始めた頃は、
耳を傾けているだけでじゅうぶんおもしろかった。
製品たちは、設計思想の違いを口々に訴えていた。

「かつてない水流の強さ複雑さが売り物です!」
「水の質をイオンでコントロールするのが特長です」
「水蒸気を発生させて汚れ落ちを追求しています!」

そうした色とりどりの声がやんだ。

これは進化の結果なのだろうか。それとも?

棚を前に、ひとり考え込むのだった。