2008年2月14日(木)浸食

寄せては返す波のように、
人々がやってきて、
ひとつの質問を繰り返す。
どうして重曹で掃除ができるのか。

みな同じような時期に、
同じ疑問にぶち当たっている。
おもしろいものだ。
意識の変容とは同時多発的なもの。
答える私もグランドシフトを起こし。

幾度か回答を繰り返しているうちに、
ふと気づいたことがあった。

10年前、重曹を知ったとき、
それはオルタナティブ・クリーナーと呼ばれていた。
従来の洗剤の代替になるもの。
これから選ぶべき第三の道。

しばらくそれに倣って答えていたけれど、
すいぶん浅い理解だったなあと思う。

オルタナティブ(代替品)は、
人間の使っている洗剤類のほうだ。
環境を浄化し、蘇らせているのは自然であって、
そのクリーニングのプロセスを真に担うものこそ、
頭に何の形容も付けずにクリーナーと、
呼ぶにふさわしいんだなあ、きっと。

昨日の浜辺を打った波と今日の波は、
同じ水のように見えて、
決して同じではない。

海岸にぶつかり、洗い、巻き込みながら、
新しい場所に移動していく。
一度一度の波の小さな奇跡が積み重なり、
全景に結実することを想う。
波打ち際の砂粒のひとつとして。