今年の正月シーズン、
テレビの特番や新聞の記事などで、
地球環境の危機を取り上げるものが目立った。
特に温暖化に関しては、
どれほど非常事態が起こっているか。
でもね、と思う。
一部の人たちはちゃんと言及しているけど、
危機に瀕しているのは地球じゃないんだ。
困っているのは人類。
それと、その巻き添えを食う生き物たち。
そのことを、はっきり念頭に置くほうがいいと思う。
今現出しているのは「地球の危機」ではなく、
予想以上に環境に影響を与えたかもしれないために、
だんだんその変化に順応できなくなっている
「人類の危機」だし、
「地球に優しい」という形容を、
(このホームページのキャッチを含めて)
慣用句的に使うけれども、
そう謳われるモノや事象の、
成果を突き詰めてみれば、
それらはみな結局、
「人間に優しい」を目指すに過ぎないとわかる。
だって。
この星が本当にリセットするなら、
天変地異をほんの少し繰り出すだけでよい。
一千度を超える熱と荒れ狂う水。
ついでに地軸と磁場がくしゃみ程度にブレれば、
今言われる“不都合な真実”など、
文字通り灰燼に帰す。
そしてそのような変化は、
この星にとって痛くもかゆくもないイベントだ。
すぐに新たな恒常的バランスが生まれるだろう。
その環境中に人類の姿はないかもしれないけれど。
それでも。
幾度となく繰り返した問いのあとで、
今はこう思う。
「栄えよ」
それがこの星とそこに棲む生き物たちに与えられた、
問答無用の命題なのだろうと。
確率は小さいけれども、
ゼロではない。
その偶然に支えられて、
(地球型の)生命が育まれる星に、
あるとき爆発的に繁殖した。
その生き物がより高次の自覚を得て、
この先も大集団で生き延びていくか、
次第に生存確率を悪くしていくか、
どちらを選ぶにせよ、
それはこの星が許した範囲内の自由だということを、
忘れないでいようと思う。
どのように栄える/栄えないか、
それだけが生き物の自由なのであって、
栄えなければいけないわけではない。
そこのところ、いつのまにかすり替えて、
地球環境を守るため、などと思いこまないよう、
慎みをもって歩みたいと思う。
風が動き、水が輝く。
祝福こそあれ、
危機などない。
あるとすれば変化。
変化も星には祝福なのだ。