朝早く首都高速で大きな事故があった。
こういう日は車が混むんだよなあ、
と思いながら、どうしても用事があって、
昼過ぎにハンドルを握る。
ネットで調べると、
上は通行規制、下は通行止め。
うーん、ふだんの倍は時間がかかるかもしれない。
都心の大動脈の一部だから影響大だ。
しかし、フタを開けてみると、
日曜日の朝のように道路はガラガラ。
何度もニュースが流れたせいか、
都心に流れ込む車の量は、
むしろ異常に少なかった。
渋滞しているのは、
ごく事故スポットの近くだけなので、
そこさえ避ければいつもより早い。
つくづく、情報というものの力を思う。
あの映像を見て、ほとんどの、
それを避けられる人々は、
今日は都心に車で行くのをやめようと思い、
かつ、そうしたということだ。
その結果、事故の日にもかかわらず、
首都高速は本来的スピードを取り戻した。
ひどい渋滞に巻き込まれて遅くなった人は、
かえって少なかったのではないか。
情報は行動を制御する。
それも最小のコストで。
その言葉の意味を、
なんどもかみしめながら、
車を動かした一日だった。
それは、わかればわかるほど、
面白くも、恐ろしくもある。