おや、と思ったのが昨晩。
情けないハナシだが、
暖かくなってきたのに、
風邪の気配、濃厚なり。
幸いどうしても外で、
という用はない日だったので、
用心して体を休めることにする。
となると、この際ということで、
取り出した7巻ものの大作DVD。
うとうとしながら楽しく見てしまった。
何年ぶりだろう、こんな映像三昧は。
幕末から明治に移る頃。
約150年前のヨーロッパと、
それに遭遇した日本の光と絶望。
あらゆる背景、風俗、大小の道具がおもしろく、
巻き戻しとコマ送りを駆使。
東西の往来はどんどん簡単に、
そして多くの人々にチャンスは広がったけれど、
それは同じ衝撃を大勢が抱えるようになった、
ということを意味するのではないか。
何が先進的、何がオシャレ、という基準自体、
西洋ショックは今も衰えないなあと思う。
「カフェーには砂糖を入れて飲むがよい」
「ここを持つのじゃ。熱いゆえ気をつけよ」
しかし今その映像を見る私たちには、
豆と砂糖は植民地から来たこと、
そのためにその場所でどんなことが起こったか、
ということもわかっている。
後に生まれた者たちは、
いつのまにか視点の広がりを獲得している。
目の前のものがどこから来たかを、
ある程度正確に想像することができる。
いいことばかりでは決してないけれど、
歴史の力も自然の恵みのひとつだ、と思う。