さて、身近にある「水」ですが、
水 = H2O みなさんご存知のように、
水素原子と酸素原子から出来ています。
ここで前回と同じように、水素と酸素の原子を見てみましょう。
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酸素原子の一番外側は、電子が6個しかないので、
8個にするためにはあとふたつ電子が必要ですね。
でも、水素原子はひとつしか電子を持っていません。
というわけで、酸素原子はふたつの水素原子と結合して水の分子を作ります。
・・・こんな感じですね。
今回は擬人化すると、ややこしそうなので止めておきます。
さて、この水分子ですが、次のような反応でイオンになります。
H+ は水素イオン、OH-は水酸イオンといいます。
真ん中の矢印が左右両方書いてありますね。
実は水も含めて、イオンになる分子はしょっちゅう離れたり、
くっついたりを繰り返しているんです。
ただし、水の場合
離れる反応 H2O → H+ + OH- よりも
くっつく反応 H+ + OH- → H2O の方がずっと起こりやすいので、
ほとんどの分子がくっついた状態で、
ほんの一部が離れてイオンになった状態になります。
どれくらいの水がイオンになってるかというと、
1を10で7回割った数で、0.0000001と同じです。
1リットルの水の中で 0.0000001 mol
の水がイオンになっているということですね。
・・・ここで mol(モル) という言葉に拒否反応を示した方のために、
のことです。
6に10を23回掛けた数で、
60000000000000000000000個
と書くと不便なのでこう表現します。
1ダース = 12 個 というのと同じ理屈ですね。
そもそも1リットルの水が何molの分子でできているでしょう。
ここで、 1 mol の分子の重さ = 分子量 g という便利なお約束があります。
水の分子量 = 18 なので、1mol の水は 18gですね。
1リットルの水の重さ = 1000g とすると、
1000 ÷ 18 ≒ 55.55 mol の水分子で出来ていることになります。
そのうちの0.0000001 mol がイオンになっているので、全体からすると
0.0000001 ÷ 55.55 ≒ 0.000000002 % の
水がイオンになっている、ということになります。
ほんの僅かなんですよ。
世界の人口が66億6千万人として、そのうちの約13人と同じ比率です。
・・・今回は数字が多くてわかりにくかったかも知れませんね。
PHだけでここまで引っぱるとは、やってる本人も思っていませんでしたが、
次回はいよいよ「PH」の数字のしくみについて。
ごきげんよう。