2月1日(木)節分近し

怒濤の1月が終わった。
少しほっとして迎える2月最初の日。

外を歩くと、足元に映る影は濃く、
陽はずいぶん強さを増している。
今年ももう、光の春が来ている。

折しも一本の電話を受ける。
一緒に考えてほしいことがあるという。
そういうとき人は、実際のおしゃべりの相手に、
答えを出してほしいと思っているわけではない。
その人の思索を映し出す鏡を求めている。
そう思うから、極力聞き手に徹して話の糸をたぐる。

問題にぶつかったとき、
逃げないで受ける勇気。
回り道に見えても、
むずかしいほうを選ぶ勇気。

文字にすると大して平凡なことのよう。

でもそこにたどり着くまでときたら、
本人が、それこそタマネギの皮を1枚1枚むくように、
泣きながらひとつずつ葛藤をはがしていくのだから…。

不意に打たれた。
人って強いなあ、しなやかだなあ。

サバイバルのための忍耐ではなく、
精神の輝きを失わないための忍耐を選ぶことができる。
こいつは相当に不思議な生き物かもしれない。

光の季節は、外の世界だけでなく、
人の内側にも訪れるのだろう。
いつだってその窓を開ければ。