現在、CPPの関連書籍『重曹生活のススメ』、
『魔法の粉ベーキングソーダ335の使い方』は韓国で、
『やさしい重曹生活』は台湾で、
翻訳出版されている。
地味な生活実用書であるにもかかわらず、
すっと海外に旅立てたのは、
ひとえに出版社さんやエージェンシーさんのおかげだが、
これらの本に目をとめてくださった、
見知らぬアジアの編集者さんたちにも、
深い感謝の気持ちを抱いている。
それと同時に、本が出ている国々の、
土壌や水質はどうだろうと想像を巡らす。
自然物質の原理や作用は不変だが、
風土に合わせてそれぞれの量や濃度、
取り合わせを変える必要があるだろう。
8年前、アメリカで出版予定のとある原稿を読み、
初めてこういった考え方暮らし方に出合ったとき、
やはり違和感があったのは、レシピ材料の量や比率だった。
アメリカっぽいね、といいながらそれを楽しみ、
少しずつ日本流に理解していった。
アジアでもそんなふうに、
楽しんで消化してくださればいいなと思う。
それぞれの自然と文化に合った新しいノウハウが生まれ、
生活者同士の鋭い意見交換が始まると愉快だ。
公開された知識は龍のようだと思うことがある。
人間の精神を自由に旅する。
千変万化して世界を守護する。
一生のうち、どれだけ龍と出会い、放てるか。
目に見えないけれど、それは確かにネイチャーゲーム。
ぴくぴく動くなにかのキャッチアンドリリースを繰り返し、
いつのまにか周りの山河の美しさが心にしみ込んでいく。