まずは昭和7年創業の撚糸屋さんに訪問。
歴史を感じさせる建物です。
綿(ワタ)の状態から1本の糸にしたものが撚糸屋さん
に入荷。1本の糸は太い部分や細い部分があり凸凹
なのですが、糸を2本3本と合わせて撚りをかけることに
よって均一で丈夫になり、又生地にした時に滑らかな表
面になります。
市販の縫い糸も1本に見えますが、実は2~3本の糸
を撚って1本の糸にしているのです。
毛布用はふんわりと又シーツ用はしっかりとなど用途に
合わせて撚りを変えています。
これはチーズと呼ばれる撚糸後の糸。○○kgという風に
重さの単位で入荷され、撚糸屋さんではm(メートル)
長さの単位に置き換えて出荷します。
通常より長ければ糸が細くなっていて、逆に短ければ
太くなっているという事。
糸の太さにバラつきがあると生地にした時に厚かったり
薄かったり均一にならないのでとても気を使う大事な
部分なのです。
野生児のオーガニックコットンは自身の持つ油分や水分
や硬さにバラつきがあるので均一な糸にするにはテクニ
ックが必要です。
撚糸の工程でも一般綿に比べて糸が切れやすく
スピードを落とさなければならないので生産性が悪い
のです。
又こちらの近所には柿畑があり、オーガニックコットンが
汚染されないよう農薬散布シーズンを外して生産されて
いるそうです。
オーガニックコットンを生産するにはいろいろとご苦労が
あります。
このビニールシートの中でオーガニックコットンの撚糸が
行われています。
異物が混入しないよう又ワタが外に出ないようビニール
シートで隔離しています。
上に置かれた糸から撚糸されて下に巻き取られています。
床に落ちたワタぼこりを黒いホースで吸い上げています。
歴史のある林撚糸さんでは今でも40年前の糸を再現
出来るデータが残っているそうです。
これはなんと国会議事堂の絨毯と700系のぞみの
シート!
帰りに乗ったのぞみのシートを撮影して見ました。