主人がたまたま手に入れた、珠玉の一品を飲んだ。
50年物のワイン。
私より年上のワインなんて、そうそう・・・まず、手に入るもんじゃない。
値段は、諸事情あって、もちろん高価だけど、いわゆる、何十万円とか、そんなんではないので、ちょっと安心!
分不相応なんだけど、この一年の私に対しての御礼だという。
うん・・・まあ・・・・確かに結構がんばったよ。
今振り返ると、この一年半ばかりの過去の自分は褒めてあげたい感じだ。
「なりふり構わず」という言葉がピッタリはまる。
じゃあ、たまにはいいかな・・・こんな贅沢・・・許される?
樽でずっと眠っていたそれは、黄金色で、ワインぽくない香りがする。
どちらかと言えば、ブランデーのような、濃厚な香り。
でも、口にすると、確かに、ワイン。
甘いのだけど、その深さにビックリした。
試しに、ソーダで割ってみると、ものの見事に、味のバランスを失い、甘味はまるでなく、水っぽくて中途半端なハチミツレモンのような味に成り果てた。
あわててそのおかしな飲み物を一口で飲み干し、原酒を注ぎ、口直し。
ワインは、当たりはずれと、値段が比例しないので、あまり好きなお酒ではないが、こんな大当たりに巡り合うと、ああ、悪くないな、と思う。
口の中でふわりと溶ける、アルコールと、芳醇な香りに、感動。
素晴らしい。
あてはからすみ。
これも、逸品だ。
チーズより美味しくて、酒が進む。
明日までは残りそうだけど、3日は持たない。
そんな味だ。
飲み干せばなくなってしまうけど、その儚さが、酒のいいところ。
騒ぐ為や、楽しむために飲む酒もいいけど、じっくり味を楽しむ酒も大好きだ。
酒が美味いと言うことは、きっと今、私はそこそこ健康なんだな。
ありがとう、そしてご馳走様でした。