10月22日(日)皇帝の運

一日、文字とにらめっこ。
夕方になって雨の気配。
このまま降り続いて朝になるという。

夜中ブラジルからの中継で、
シューマッハが走る最後のF1レースを見る。
途中何度もマシンの不調に襲われる。
そのたびに奇跡のように追い上げて、
最後は4位だった。

もし車体にトラブルがなければ、
フェラーリのワンツーフィニッシュだったかもしれない。
皇帝の不運に同情しつつも、この極限状態では、
運も実力の内、という言葉を思い出す。
くやしいけど、そうなのかなあ。

技術の粋を尽くして、
過酷なレースに挑む。
パイロットの才能とマシンの性能、
総動員して最新鋭の車が運転される。

運を良きように転がすのも、
“運転”なのだろう。
引退を表明した皇帝には、
その手応えもわかっているのかもしれない。

彼ほど鮮やかではないけれど、
運命のハンドルはみな動かせて、
思った以上にシンプルなものではないかと思う。