約束と実行(2010.3.19)

ずっと前から行くね、と約束していたお友達。
小豆島に住んでいるので、お伺いしてきました。

震災があったから余計に気が急くのです。
やりたい時にやっておかなくては、会いたいときに会わなくては、いつ何が起きて、後悔だけしか残らないとも限らないと、そう思ったからです。

古い古い醤油蔵を見学しました。
そこには、はるか昔から、住み着いている菌たちが、美味しい醤油を作っていました。
穀物が糖化する、甘い匂いが立ち込めて、そこに濃厚なお醤油独特の香りが混ざっていました。

人にはできない仕業、地球の浄化システムの一つを利用させてもらっている、私たちの姿を見ました。

思いあがったニンゲンという存在を、こういう場所で改めて見直すことができました。

人は、地球で起こるほとんどのことに何一つできない赤子のような存在だと言うこと。
どんなにお金がたくさんあっても、どんなに素晴らしい技術を掌中に収めていても、地球にはかなわないね。

原発も、本当はまだ、人が扱えるようなものではなかったのかもしれない。
「やれるのだ」と、「コントロールできるのだ」と、思いあがった人たちが、充分にリスクを把握しないまま、一般人に押し付けた様に見える。

今、困っているのは、普通の人々だ。
確かに、恩恵に与っていたし、地球のエネルギーを考えたら、効率の良いものだと思う。けれど、人が使うものなのに、一番大切な「人にとっての安全」を考えるには、想定外のことに対して弱すぎた、と思う。
原発に関して言えば、想定外はあってはいけない。

人の思考は、自然の摂理に比べれば、まだまだ浅くて、薄くて、あちらもこちらも欠けた、いびつなものなのだ。

醤油の蔵で、地球から預かり、地球に戻っていく、完成されたエンドレスな流れに触れながら、災害を信じられないような、豊かで静かで美しい、この島で、ちっぽけな自分に何ができるのか、考えています。
明日から、また動き出す為に・・・