アイシテイル、日々の細々・・・(2010.11.8)

仕事で始まり、仕事で終わる・・・・
それがこのところの、私の毎日。
そんな毎日を、アイシテイル。
失敗もたくさん、うまくいったときもそこそこあって、自分のスキルを磨くのに、どこをどうすればいいか、考えている。
子供たちは、文句を言わず、母を見てくれているので、がんばらざるを得ない。

「我が家には、お父さんが二人いるね。お母さんがいないけど」

と、今とは違う仕事で忙しかった私に、子供が言った言葉・・・
子供の精一杯の皮肉。

確かに、男の人に負けないように、仕事をこなし、家の中はぐちゃぐちゃで、子供のことも表面しか見ていない自分がそこにいた。
反省に次ぐ反省と、実の母からの叱咤。

「仕事がそんなに大切なの?子供よりも?」

そんな事、言われていた。
子供が、学校の教室に入れなくなって、気がついた。
実母が倒れて、気がついた。
母をやっていなかったこと。
世界で一番アイシテイルものと、大切なもの、かけがえのないものに、愚かな私はようやく気がついた。

メーテルリンクの「青い鳥」を思い出した。
チルチルとミチルは、どこを探しても、見つからなくて、自分の家の鳥が青くなっていることに気がついた。
確か、あの鳥は、最後に家を後にして飛び去ってしまうのだったと記憶している。

私は、腕の中の子供を、青い鳥のように、失いたくなかった。
途端に、仕事が色褪せ、何のために働いていたのか分からなくなってしまった・・・・・
収入は減って、すっかりビンボーだけど、今、元気な子供たちと過ごせることが、私のアイシテイル時間。

今の仕事は、子供たちも理解し、応援してくれているから、がんばろうと思う。

「話したってどうせ分からないから・・・」と、ライター時代は子供にいちいち何かを話すことなんて、なかった。
子供たちも、締め切りに追われ、イライラしている私に話しかけることも、あまりなかった。

「今日ね、ママ失敗しちゃった・・・・聞いて!」と、今の仕事について、子供に話すことが増えた。
「それはママが悪いね!」「もっと大人にならなくっちゃ!」なんて言われてる。
すでに、相談相手になるほど成長した息子たちは、今は、私の大切な家族であり、アドバイザーでもある。
家族というひとつのコロニーの中で、それぞれの役割を理解し、シェアできる時間を大切に出来る存在となった。

私の腕の中にすっぽり収まって、泣きじゃくり、暴れていた息子は、私の背を楽々抜き、私が開けられないジャムのビンの蓋を軽々と開け、私より早く走り、高く飛び、自分の将来を考えるようになった。
息子が立ち直れるか不安で、ずっと心配していた私を尻目に、進路をおぼろげながら、決め始めた。
そのためにするべきこと、やらなくてはならないことも、すっかり理解し始めている。

だから、明日もがんばれる。
がんばろうと思う。

母という肩書きを、何よりも愛し、誇れる自分でありたいと、心から願う私なのだ。
子供がここから飛び去るまで、あと少し。
母でいる喜びを、噛み締めながら・・・・。