心配でビックリした日(2010.3.1)

それは、突然だった。
上の息子が待てど暮らせど帰ってこない。

既に、時計は7時半を回っているのに・・・・
テスト週間なので、寄り道もしない日のはず・・・
(マンガ本を買うために寄り道した下の息子はさっさと帰ってきているのに・・・・)

さっき、学校に電話をしたら、いつもどおりに下校したと言う・・・
「事故にでも遭ったのか?」
「事件にでも巻き込まれたのか?」
8時を過ぎても連絡がなければ、警察に問い合わせようと思っていた矢先・・・

「ただいま・・・・」
と、息子が帰ってきた。
なんと、ボロボロの自転車を押して帰ってきていた。

雨の中、水溜りでこけて、自転車が激しく壊れて、乗って帰れなくなってしまったのだ。
タイヤも歪んで、押して帰るというより、掴んで帰った・・・と言う感じだ。
学校で携帯電話は禁止なので、持っていない・・・
公衆電話も近くになく、これでも息子は精一杯早く帰ってきたそうだ・・・・
生きた息子の顔を見たら、ホッとして力が抜けた。
学校に再度連絡をして、息子の無事と、事情を伝える。
先生も良かった、と電話の向こうで安堵してくれた。

実は、数十分の間、生きた心地がしなかった。
「早く起きなさーい」「ごはんできたよ」「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」・・・・そんな、取り立てて騒ぐことのない日常の風景が、どれほど大切なものか、思い知らされる瞬間だった。
本当に、本物の事件に巻き込まれた子供たちの親は、あの嫌な気持ちをずっと心に抱いているのだ。私はホッとして、気が緩んだけど、緩むことなく、悲しい現実を突きつけられた人たちは確かにいる。
そう考えると、たまらなくなった。

毎日が宝物で、毎日が特別な日。
生きていることはありがたく、かけがえのないことなのだ。
心配する相手がいること、心配される相手がいること・・・なんてありがたいことなのでしょう。
日常は、本当は非日常で、その恩恵に与っている幸せな自分と対面した。
きっと、「最近、アンタ忘れてるでしょ?」って、ちくりと神様が意地悪をしたのかも知れない。
うん、そうなのだったら、ありがとうございます。
大切なもの、思い出したから。