生のポルチーニ茸のシーズンということで、
西麻布のイタリアンに出かける。
ほら、来ていますよ、と見せてくれたキノコは、
絵本に出てきそうな、それはそれはかわいらしい、
これぞキノコという形をしていた。
どうやって食べますか、という問いに、
いちばんシンプルなソテーで、と答える。
去年の秋、
キノコ狩りのおすそわけで、
ニセアブラシメジタケをいただいた。
あれこれ議論したけれど、
結局、煮てスープにしたら、
キノコ嫌いが夢中で食べた。
キノコのおいしさは、
香りだとかうまみだとか、
いろんな言われ方をするけれど、
野生のキノコについては、
少し違う感覚が支配しているように思う。
物足りない感じ。
これが一番ぴったりする。
ポルチーニもニセアブラシメジも。
底味のつかみがたさに、
つい一口、あと一口と食べてしまう。
え、今なんて言ったの、と、
聞き返すように。