一日、人と会って移動して、
人と会って移動して、を繰り返す。
乗り物の間は耳に音楽を。
イヤフォンしている人の率は東京ほどではない。
でもけっこう見かけるようになった。
TGVで日帰り往復という技も使い、
かなりの距離をうろうろしたせいか、
足が少しむくんでいる。
とりあえずファーストレスキューだ、と、
ラベンダーで足浴をし、マッサージしたら、
完全にすっきりした。本当に頼りになる。
郊外に広がる田園の一画に、
遠く白い鳥の一群が、
ふわふわと浮いている。
あそこになにがあるんだろう、と思いながら、
丘陵で遮られる以外、実は視野いっぱい、
ほとんどすべて見渡せていることに気づく。
画用紙を持ってきて、
スケッチしたくなる気持ちがわかる一瞬だった。
かきとめて、抱きしめる。
写真にはないプロセスの楽しみ。
とはいえ、良い景色だなと思うところも、
あっという間に駆け抜けてしまうので、
列車の窓からは写真も撮らなかったのではありますが。
いちばんの思い出は記憶の中に。
いつも思う。どんな旅だったか、と聞かれて、
本当に本当の、そのときのクオリアを表現するのは、
とてもむずかしい。
わざと面倒なプロセスを選んで、
ものに刻みつけたいのは、その断片なのかもしれない。