10月7日(土)tableau――絵画的な

一日、人と会って移動して、
人と会って移動して、を繰り返す。
乗り物の間は耳に音楽を。
イヤフォンしている人の率は東京ほどではない。
でもけっこう見かけるようになった。

TGVで日帰り往復という技も使い、
かなりの距離をうろうろしたせいか、
足が少しむくんでいる。
とりあえずファーストレスキューだ、と、
ラベンダーで足浴をし、マッサージしたら、
完全にすっきりした。本当に頼りになる。

郊外に広がる田園の一画に、
遠く白い鳥の一群が、
ふわふわと浮いている。
あそこになにがあるんだろう、と思いながら、
丘陵で遮られる以外、実は視野いっぱい、
ほとんどすべて見渡せていることに気づく。

画用紙を持ってきて、
スケッチしたくなる気持ちがわかる一瞬だった。
かきとめて、抱きしめる。
写真にはないプロセスの楽しみ。

とはいえ、良い景色だなと思うところも、
あっという間に駆け抜けてしまうので、
列車の窓からは写真も撮らなかったのではありますが。

いちばんの思い出は記憶の中に。
いつも思う。どんな旅だったか、と聞かれて、
本当に本当の、そのときのクオリアを表現するのは、
とてもむずかしい。

わざと面倒なプロセスを選んで、
ものに刻みつけたいのは、その断片なのかもしれない。