10月1日(日)稲刈り

早朝の高速道路を走る。
羽田に6時過ぎには着きたいので。
少し出るのが遅くなった分、バックミラーを気にしながら、
でも今はあまり車のいない走行車線をスイスイ行く。
無事、bubuさん、Satoさん、eriさん、shusさん、しゅうや君と合流。

中国地方は雨の予想だった。
しかし空港から山中を抜けるうちに空が明るくなってきて、
吉松さんの「たぶん大丈夫でしょう」という言葉通りになった。

着いてすぐ鎌で稲を刈り始める。
調査用の数キロ分を手刈りするだけだから、
量的にはたいしたことはないのだが、
先日の台風が去ったあと、
すっかり風の方向に倒伏しているコシヒカリを、
かきわけて起こしてから刈るのが面倒だった。
今のコンバインはよく倒れるこの稲を、
ちゃんと起こして刈り取ってくれるという。
いやー、それはついお世話になりたくなりますー。

イセヒカリのほうは台風にめげずに直立している。
なんて刈りやすいんだと感激。
刈りやすいだけでなく、雑草との区別もつきやすい。
(今、あえて雑草が生えているエリアもあるので)

一年目はいいけれど、二年目つまり来年、
なんの対策も打たないとすごいことになりますよ。
という吉松さんの言葉を、刈り取り後の田に落ちた、
雑草類の種の量を観察して実感する。
それはそうです、稲のほうは全部種を引き上げるのですもの。
残っているのは雑草クンたちだけ。
放置すれば彼らが我が世の、もとい、
我が田の春を謳歌する日は近い。

終わって美味しいおにぎりやら芋煮やらを御馳走になり、
あっという間に時間になって空港に引き返す。
今回も、吉松さんありがとうございました。

軽い筋肉痛の予感がする。
ぎしぎしいう骨をなだめるようにゆっくり歩き、
空港の駐車場に向かう。今日ははるか西国にいたのだ。
今はもう帰ってきていて、信じられないけれど。

文字通り、必要あればいつでも翼を持てる、
現代の奇跡にあらためて驚きながら、
一日かけて西から追いかけてきた雨の中、
車を走らせ、傘なしで濡れずに帰宅する。

これほどの文明に恵まれた私たち世代は、
次になにを残せるのだろう。汚染だけ、
などというのはあまりにも情けないものなあ。

20世紀の揺り戻しはまだまだ続くなれど、
一株一株、起こしては刈り取っていく。
黙々と作業する。

なんだか楽しかった。
ああ、みんなやってるやってる、と、
腰を伸ばしてあちこちの区画にしゃがみ込んでいる、
人影を見るたびに力がわいた。
感謝です。