早朝の高速道路を走る。
羽田に6時過ぎには着きたいので。
少し出るのが遅くなった分、バックミラーを気にしながら、
でも今はあまり車のいない走行車線をスイスイ行く。
無事、bubuさん、Satoさん、eriさん、shusさん、しゅうや君と合流。
中国地方は雨の予想だった。
しかし空港から山中を抜けるうちに空が明るくなってきて、
吉松さんの「たぶん大丈夫でしょう」という言葉通りになった。
着いてすぐ鎌で稲を刈り始める。
調査用の数キロ分を手刈りするだけだから、
量的にはたいしたことはないのだが、
先日の台風が去ったあと、
すっかり風の方向に倒伏しているコシヒカリを、
かきわけて起こしてから刈るのが面倒だった。
今のコンバインはよく倒れるこの稲を、
ちゃんと起こして刈り取ってくれるという。
いやー、それはついお世話になりたくなりますー。
イセヒカリのほうは台風にめげずに直立している。
なんて刈りやすいんだと感激。
刈りやすいだけでなく、雑草との区別もつきやすい。
(今、あえて雑草が生えているエリアもあるので)
一年目はいいけれど、二年目つまり来年、
なんの対策も打たないとすごいことになりますよ。
という吉松さんの言葉を、刈り取り後の田に落ちた、
雑草類の種の量を観察して実感する。
それはそうです、稲のほうは全部種を引き上げるのですもの。
残っているのは雑草クンたちだけ。
放置すれば彼らが我が世の、もとい、
我が田の春を謳歌する日は近い。
終わって美味しいおにぎりやら芋煮やらを御馳走になり、
あっという間に時間になって空港に引き返す。
今回も、吉松さんありがとうございました。
軽い筋肉痛の予感がする。
ぎしぎしいう骨をなだめるようにゆっくり歩き、
空港の駐車場に向かう。今日ははるか西国にいたのだ。
今はもう帰ってきていて、信じられないけれど。
文字通り、必要あればいつでも翼を持てる、
現代の奇跡にあらためて驚きながら、
一日かけて西から追いかけてきた雨の中、
車を走らせ、傘なしで濡れずに帰宅する。
これほどの文明に恵まれた私たち世代は、
次になにを残せるのだろう。汚染だけ、
などというのはあまりにも情けないものなあ。
20世紀の揺り戻しはまだまだ続くなれど、
一株一株、起こしては刈り取っていく。
黙々と作業する。
なんだか楽しかった。
ああ、みんなやってるやってる、と、
腰を伸ばしてあちこちの区画にしゃがみ込んでいる、
人影を見るたびに力がわいた。
感謝です。