9月6日(水)白い記憶媒体

日本橋探検!
このところ再開発の進んだ古くて新しい町を、
歩く。食べる。見る。聞く。小さな徒党を組んで。

これで橋に拘束、もとい梗塞、もとい校則、
もとい高速!(なんてすごい変換ばかりなんだ)
がかかってなけりゃね、と言っていたけれど、
どうもそれすら退くらしい。

店はぴかぴかの本店やショールームばかりだし、
企業は好んで本社を置いている。
裏に回ればコージーなマンション。
若い世代が戻ってきている。
第一、老舗洋食屋に入ったときの、
この高揚感はなんなんだ。
独特のタウン感覚。かなりおもしろい。

マカロニグラタンをつまむと、
ベシャメルソースの抗いがたい美味。
うん。ちゃんとしたバターとミルクと小麦粉で作れば、
きちんとおいしくなるってことなんだよ。
幼少の時分から週末になると家族でおしゃれして、
洋食を食べに出かけたという某氏の解説が入る。

今度久しぶりに真面目に作ってみようと話し、
そのモチベーションを今日一番の収穫とする。

白いソースは郷愁。
とっておきの幸せのひとつ。
なんでもまろやかに包み込むトロリとした半固体の中に、
私たちの幼い日も抱かれている。
時の彼方にあるものの懐かしさ、かけがえのなさを、
胸にツンとしみるスパイスにして。