後藤新平と言う人(7/5)

以前、我が家に短期で台湾の留学生を受け入れた時、その彼女から聞いた名前。
台湾総督府民政長官を務め、台湾を日本の植民地化した人のうちの一人だ。
なのに、彼は台湾の人たちから尊敬されたり、感謝されている人でもあるのだ。
(日本人が来るまで、原始時代のような生活だったのよ、ってユーモアたっぷりに話してくれる留学生だった・・さすがにそんなことはなかったと思うんだけど、離れ小島だったから、ある意味遅れはあっただろうね!)

アジアでかなり嫌われている日本と日本人だが、台湾が親日なのは、こういう人がいたからだと、調べて後に納得をする。
台湾の学校では、必ず習う人の一人だよ、とも、教えてくれた。
そして、私も少々、この興味深い人のことを調べたりして、なんとも面白い人生を歩んだ人だな・・・と、日本ではそれほどメジャーではないこの人のことを大好きになってしまった。
この間、養老先生の講演会で、その名前が不意に出て、本当に驚いた。
同じ史実を共有していると言う、ちょっとしたうれしいショックでもあった。一言で説明できないくらい色々なことをやり遂げている人、後藤新平。
何より感動したのは
「よく聞け、金を残して死ぬ者は下だ。仕事を残して死ぬ者は中だ。人を残して死ぬ者は上だ。よく覚えておけ」
と、亡くなる前にある人に語ったこの言葉、とても深い・・・・・。

台湾占領時には「生物学の原則」で統治をするという画期的なことをしているのだ。
どういう事かと言えば、結局は、無理矢理こちらの文化習慣を押し付けても上手くは行かないので、その土地に、もとからある、習慣や宗教と言った文化的なものをそのまま活かし、こちらが合わせて上手く収めていくと言うやり方だ。
相手の反発を招かず、統治するなんて偉業を成し遂げるとは、なんてすごい人なんだろう!
現状の世界の状況を見ていれば、この人のやり方がどれほど素晴らしいか分かるというものだ。
多分、ある民族が違う民族を人を支配することは正しくないことだと充分に理解していたんだろうな・・・・でも、戦争に突入していく自分の国、日本・・・・その中で、せめても自分の出来ることは支配や虐殺ではなく理解的統治、であったんだろうと思う。
どんな時代の中でも、真理を知っていれば、最悪な状況は避けられると言うことの証明みたいなものだ。

他にもいっぱい、色々なことしてるんだけど(NHK初代総裁とか、東京都知事とか・・・最初に公共の水道に塩素を混ぜたのもどうやらこの人らしい・・・・劇的に感染症が減って、つまりは死ぬ人が減って、長寿になった・・・)日本の現在の社会形態の基礎にこの人なくしてはできない!と言うくらいアイデアマンで、現実主義者だった。
で、何が言いたいかと言えば、この人もモノの本質を見抜ける人だったと言うことなんだよね。
どこに行こうと、どんな職に就こうと、常に生物学的、科学的に目に見える正しいものを中心に据え、計画を実行していった。
「美しい国日本」なんて、抽象的なことは一切言わない。
何か具現化したいプランがあって、それの実現のために、現状できることは何で、どうすればいいのか、しっかりと分かっていた人だった。

重曹生活と似ているのは、ムードだけとか、ファッションで・・・・というような、ふわふわしたものを追いかけるものでなく、しっかりと自然の法則に根付いているやり方、と言うところ。
こんなすごい人には、到底私は、なり得ないけれど、生き方を学ばせてもらいたい、と思う。
この世の中で起こってる全てのことは、きっと解決できるとこの人の生き方を見てるとそう思う。
なぜって?
人の社会で起こってることは、所詮、人が作ったものだから・・・。
差別やテロや、公害も・・・実は人が解決できるものばかり・・・。
アヘンに溺れていた台湾を救ったのもこの人だ。
中毒患者数が劇的に減り、撲滅できたのは、彼が着手して50年も経ってからだったけど、方向性と基盤を築いたのはまさしく彼だった。
そして、これも無理やり取り上げず「生物学的」に遂行していったからこそ、なんだよね。
始めたときから、こうなることは分かっていたんじゃないかな。それが、30年後か50年後かは予測できなくても・・・結果はきっと分かっていた。
だからね、どんな困難な問題でも、時間と手間と知恵を絞って一つからはじめれば、きっとそんなに暗いばっかの未来じゃないと思うんだよね。
希望が見えてくる・・・・そんな元気な生き方です。
是非時間があったらググッてくださいね!
私の大好きな人リストのうちの1人です。

ちなみに、岩手に記念館があると言うので、いつか行ってみたいと思っている・・・。(かなり近いうちに実現させるつもりなのだ!)