赤いスカートと秋葉原の合図(6/3)

何の気なしに、いつものごとく、秋葉原に立っていた。
今日は、飛行機もスムーズで、いつもより随分早く到着してしまった。
ビルの入り口の、とあるカフェで、息子に借りている本を読みつつ、中途半端な数十分を潰す。
同じカフェに、私より先に来ていた3人ほどの男の人のグループが、席を立った。
そこは、先払いシステムのカフェで、何やら楽しそうに話しながら男性達はトレーを返却したり、氷をダストボックスに放り込んだりして、目の前の信号機のある場所に向かった。
そこは、ただの道・・・・。
信号があるだけのただの道なんだけど・・・・。
おもむろに、バッグを開けて、何かを取り出し、それを細身の男性が、装着した。

キュロットスカート!!!???
しかも、オレンジがかった赤!どうやら、何かの目印だったらしく、その男性がズボンの上から赤のスカートをはいた途端、カフェからも、信号機の向こう側からも、駅からも、反対側からも・・・たくさんの人が続々集まってき始めた・・・。

独特のムードを醸し出しながら、どんどん人は増え、多分3・40人には膨らんだのではないだろうか?

ぞろぞろと、秋葉原のどこかへ向かうその大きな集団を見ながら、私は自分の行くべき場所に向かうけれど・・・・。

でも、気になるなぁ・・・・・何なんだろ?
不思議なこの街の、当たり前の風景は、決して他で見ないものだから・・・。
現実感はないけれど、あの集団についていけば、なにか弾けるかなぁ?

その集団を見つめる、黒のワンピースに白のレースのついた超ミニのファッションに、羊の顔のついた白いモコモコバッグ、白いモコモコの毛糸玉のついたパンプスを履いている女の子にも、目を奪われる。
やっぱりモコモコしたカチューシャをつけたその女の子は秋葉原の風景の一部となり、溶け込んでいた。

ここでは、私のようなヤツのほうが、浮いちゃうんだろうか?
大きなバッグに、資料を詰めて、エッチラオッチラあるビルの部屋を目指して歩くオバサン一人・・・・。
それとも、そんな私もこの街を彩るパーツの一つ、になってるのかな?