復活したこと

昔、小学生だった頃、お風呂で、下着とハンカチは自分で洗わなくてはならなかった。
まだ、ボディソープなんてなくて、石鹸が主流だった頃のこと。
女性は特に、下着は部分的に汚れるので、つまみ洗いをしてそのまま洗濯機に入れておくというのが常だった。

そして、ハンカチは、洗い終えると、そのまま窓のガラスやお風呂のふたに貼り付けてからお風呂を上がった。
がらがら・・・・と大きなサッシの引き戸は、全面ガラス張りなので、そこに貼り付けると、キレイに翌朝乾いていて、しかも、シワもない。
当時の、田舎のお風呂はでっかくて、窓も戸も、とびきり広く感じたものだ・・・。
小学生にも安全な自動アイロン。
制服も、ハンガーにかけて、全員が入って終わったお風呂場に吊るしておく・・・・。
窓を細く開けて、外気を入れながら・・・。
すると、嫌なニオイもとれ、セーラーにできた背中のシワもピンと伸びて、次の日、颯爽とその制服を着て学校に行けたものだった。でも、いつの間にか、シャンプーもリンスもボデイソープも、同じような容器に入って、石鹸は姿を消した。

と、同時にそのような習慣もすっかり忘れていた。

でも、ナチュクリを始めると、おばあちゃんやいとこ達とそうやっていたな・・・なんてこと、思い出して、懐かしくなる。

今は、下着だけではなく、布ナプキンや靴下も、下処理に重曹水に漬け込み、次の日の洗濯に備える。
汚れ具合によっては、石鹸も足してあげておく。
これで、明日の洗濯も何も恐れることはない。

ハンカチやスカーフも気楽に一緒にお風呂に持って入り、私と同じ石鹸でキレイに洗う。
ビネガーですすがれて、私と同じく(多分)いい気持ち。
先にバスタオルで軽く水分をぽんぽんと切ってもらって、そのまま平らな洗濯機の上に寝かされる。
朝には、どの子もまた使える状態になっている。
うんと汚した日は、靴下君たちと一緒にざんぶり漬け込み、次の日、洗濯機に放り込むけどね。

こうしてあげれば、今もアイロンなんて本当に要らないの。

そして、私のドラム式洗濯機は、洗濯物にシワを作らない。
脱水が少しゆるいのと、ティッシュさえ、バラバラにならずにそのまま洗い上げるほど、繊維には優しく、汚れはきっちり落としてくれる。
叩き洗いは効果的で的確だ。

最先端のものに、いにしえのものと昔からの知恵を絡めて使うと実に効果的。
余計に昔の人の合理的で正しい化学と物理の応用に驚かされる毎日・・・。

下着やハンカチを、効率的に洗う・・・・ただそれだけのことが、面白い。
やっぱりナチュクリってすごいんだな、って思う。

応用してこその知識、たくさんの人に利用してもらってこその知恵。
集団でいても、独りよがりで、本当は何も知らない烏合の衆であってはならないと、より強く、自分の心に誓う。
拠り所になっていたものは、幼い頃の経験だったなんてこと、思い出したりする日々が、うれしい。

晴れの日には晴れの日の、雨の日には雨の日の、それぞれの楽しみ方、過ごし方。
お風呂も台所も、今よりずっと色々なことに利用されていたことが、もっと必用になっている気がする。

今日は、何を持ってお風呂へ行こうか・・・?