6月21日(水)ラバンジンの精油

5ユーロで買った(つまりそれは本体価格4.2ユーロ、
現在日本円にして税込670円ほどの)ラバンジンの精油30ml。
プロバンスの土産物屋さんに無造作に置かれていた。

しゃばしゃばの、
きれいに分離できていない不透明で、
沈殿物も下に見えるような、
昔ながらのプロダクト。

どんな風に使うか考えていたが、
香料が何も添加されていない(つまりそれは、
そのままではかえって石けん臭がして、
使いづらいくらい純粋な)ボディ用液体石けんに、
たっぷり入れてみることにした。

石けんは一瞬で乳化し、
乳液のような、石けんのような、
ごくわずかに泡立つクリーム色の、
トロリとした液体が出来上がる。

梅雨の季節、
特に清潔に保ちたい顔や体に、
重曹や他の石けんと混ぜながら使っている。
おもいのほか快適で、
かなり抗菌効果があり、
ラバンジンの香りが濃厚に楽しめる。

こういう中間態の、
良い意味でいい加減なプロダクト、
なかなか日本には売っていない。

たとえば精油なら、
かなり夾雑物の混じる状態に留めず、
もっと精製しようとするだろう。

今の世の中、純粋にしていくことは、
なんであれ、商品価値を高めることでもある。
日本人、つとに究極好きでもあり。

でもその価値体系に影響されて、
なんだかわかんないけど総体としてこう、という、
自然の恵みを使いこなす生活の知恵まで細っては、
もったいないなと思う。

酢、みそ、醤油、梅干し、漬け物、出汁、お茶、山野草…
みんなそうだ。

それらのものを純粋にして機能成分だけ取り出し、
それで新たにプロダクトを成す、いまどきのハイテクもあれば、
昔ながらの総体を利用するローテクもあり、
つまりコストダウンには二つの道筋があるところがミソだ。

話を元に戻して。
日本で手に入らないかなあ。

とても気に入った。
安いところも、
夾雑物だらけのところも。

普段づかいにぴったりだ。
なにしろ「普段」というものが、
夾雑物の総体、
みたいなものですからね。