窓の外に空中の庭園が見える。
あわいベージュのクロスのかかったランチテーブルの上には、
庭園に咲いている花や葉っぱが少し生けてある。
日本的な木や草が、
小さなショットグラスに飾られ、
フレンチの食卓におさまってまったく違和感ない。
シンプルですてきだなと思った。
鎮静剤でぼうっとしている頭が、
食事や糖分のおかげで少しずつ晴れてくる。
グラスの周りの葉っぱの輪郭を目でなぞっていたら、
ラディッシュのアミューズが出てきた。
かりり、と音がして、
あ、今、自分はものを食べていると自覚する。
現実へのランディング。
夢から覚めることは、
どこかしら、なにかしら、
着地と似ている。