春の音連れ・・・・

んん・・・・・?
訪れの間違いじゃ?

いえいえ、まあ、いろいろと、春を音で感じるのです。

本当に小さな物音・・・・。
風の音だったり雨の音だったり・・・・でも、明らかに冬の厳しいそれと違って、優しい。

このところ、大好きなモーッツアルトをずっと聴いている。
音楽家ではないので、難しいことは分からないけれどとにかく落ち着く。
モーッツアルトは優れた音楽職人だと思う。
「天才」と呼ばれてるけど、映画や小説なんかも見たり読んだりしたけど、絶対、本人にはその自覚なんてなかったと思う・・・それだから「天才」なんじゃないかな?
「天才」ということを一番分かってたのは、サリエリかな・・・だから脅威を感じ、天才ではないから、自分のプライドを傷つけられてしまうのだね。私がモーッツアルトを好きなのは、昔はよく分からなかったけど、今は「職人」だからと思う。
たくさんの曲を、機械的に、かなりなレベルで作り出すことが出来るのなんて、「職人」以外の何者でもない。
人から求められれば、求められたとおりのものを、いくらでも作り出せた。
それがモーッツアルトのすごいところだ。
これから出るか出ないか分からないくらい、極上の音楽職人だと私は思う。

ベートーベンも嫌いじゃないけど、自分が弱ってる時には演奏するのも、聴くのも嫌。
ものすごくエネルギーを吸い取られる感じがする。
「芸術家+努力家」だから、扱いが大変なんだと思う。
こちらがかなりなポテンシャルを保ってる時でないと、この人の曲って、難しい。
それほど、パッショネートな人だったんだと思う。
怒れる時は怒りに任せて、悲しい時は悲しさに任せて音楽で表現するから、自分の体をこの人の音楽が通り過ぎる時、そんな感情を呼び起こされて、そのボルテージまで引き上げられてしまうから、いくら「ゆっくりさせてよ~」と抗ったところで、無駄。
くたくたになってしまう感がぬぐえない。
元気な時に、あるいは、失恋なんかして、とことん落込みたいときに聴きたいと思う。

あと、苦手なのはバッハ・・・。
この人のは、聴くにはいいけど、演奏は絶対したくない。
永遠の三連譜(笑)が何ページも続き始めると、こなすことに神経を使いすぎて、一向に楽しくならない。
とてもうまく演奏してる人を見るたび、「アンタはえらい!」って思ってしまう。
だって、何回弾いたかわかんないけど、繰り返し繰り返し弾いて、正確に刻むリズムの中でようやく、本質にたどり着いたんだと思うから・・・。
技術的に、私は苦手だ・・・・。
日本でイマイチ人気がないのは、ぜったい、そのせいだと思う・・・・・。
弾きこなせても、人前で披露したい・・・・とはあまり思わなかったものなあ・・・・。
やっぱり、メロデイのある曲のほうがなじみやすいもんね・・・。

リストなんて、ソナチネ程度の私の腕じゃ、テクニカル的に全然無理だしね。
楽譜見ただけで、めまいを起こします(笑)。
でも、これは、聴くにはいいなあ・・・・。
自信満々の人だったに違いないよね・・・・。
どうだどうだ、俺みたいに弾けるか?なんて思いながら作曲してたのかな?
割と関西系の人だったのかもしれない・・・。

まあまあ、各作曲家にいろいろな思いはあるけれど、だから、何が好き?って聴かれると、ホント、ありきたりかもしれないけど、モーッツアルトになってしまう。

繰り返し繰り返し、聴いている・・・・。
繰り返し聴いても色あせない、新しい発見さえある。
どんな魔法をかけているのか・・・。
職人の隠し味にただただ驚嘆する。

久し振りにピアノを弾いてみようか。