6月13日(火)日干し、風干し、あらまほし

南側の壁がスポンと抜け落ちたようだ。
全面一枚ガラスの喫茶店に入り、
明るい窓際で話を始める。

すぐに気づいたのは、
ひさしがないこと。
やわらかいけれど、
着実に光が差し込んでくる。

実質的で腹を割った、
すてきな時間が持てたけど、
きっとみんな、
顔が片側だけ焼けてるね。

次の打ち合わせは、
まったく窓のない部屋だった。
ビルの中、壁とドアだけの四角い空間。

だからですね。
つまりですね。
なんとか説明しようと、
後から後から不器用に言葉をつなぐ。
時間の経過がわからなくなり、
しょっちゅう携帯の時刻表示を見ていた。

最後は絨毯敷きの広いパーティー会場。
ここにも窓がない。
でも誰もそんなこと構っちゃいなくて、
中央のピカピカの銀盆に乗った大きなローストビーフとか、
一点の曇りもないグラスに注がれた水割りとか、
朱塗りの木皿に盛られたお寿司とか、
そういったものに気を取られている。

今、自分がどこにいて、
何をしているかしゃべっているか、
光は明るく照らし出す。
人間、閉ざせば内なる都合に向かいやすく。
デパートやスーパーにも外とつながる窓はない。

もしかしたら人の理性は、
毎日、ちょっとは干しとかなくちゃいけない、
おふとんみたいなものかも。
リアルであれ、バーチャルであれ、
光と風が、いつも大事な友だちなのかも。