4月24日(月)なぐさめるように

オーガニックコットンの、
ニット帽と襟巻きをして出かけた。

繊細な花模様が、
タオルとガーゼのくたくた服を、
パジャマ着て出かけました? みたいでなく、
ちゃんとよそゆきの表情に変えてくれる。
それも、とりすましたよそゆきじゃなく、
優しくてやわらかい、
とびきりナチュラルなドレスアップ姿に。

高価なアンティークレースなどで装うと、
女らしくはなるけど、こんな風に自然にはならない。
土の香りがする、不思議なニットレース。

一日、いろんな交渉事や資料の整理に追われる。
最後に打ち合わせに行った先で、
少し悲しい話になる。

人は、どうしてすれ違うのだろう。
おおーい! 聞こえてますかー?
星々の軌道が少しずつズレていくように、
なすがままでお互い努力しなければ、
一緒だったはずの恒星系をいつの間にかはずれ、
一人、違う重力圏に引き込まれることだってあるんだよ。

それを運命と受け入れるときもあるだろうけど、
人という星は、心のパワーで軌道を変えていくことができる。
修正のタイミングを逃さなければ、
離れることも、離れないでいることもできる。
そこが夜空の星とはちょっと違うところなんだ。
もしかしたら、実の星々もそうしているのかもしれないけどね。

呼びかけは虚空に消え、
帰らなくてはならない時間が来る。
これだって軌道みたいなものだ。

外に出て、ニット帽をかぶった。
誰かが頭を撫でてくれているみたいだ。
そっと、なぐさめるように。

この星で生まれ、
心を込めた人の手により、
この上ない自然の美を顕し、
またこの星に帰るコットンニット。

少しだけ泣いている私を包んで、
ふんわりと、温かい。